【まとめ】イラン株に投資する際に抑えておきたいリスク(経済編)

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こんにちは!航です!本日登板二回目ですね、まだ面白いテレビの時間まで時間があるので、前回書き納めと豪語しながら徒然なるままに書いてしまいました。

【まとめ】新興国に投資する際に抑えておきたいリスクで新興国株式市場に投資する際に注意するべきリスクについて説明し、前回【まとめ】イラン株に投資する際に抑えておきたいリスク(政治編)でイランがかかえている政治的なリスクと今後の可能性について説明しましたが、今回は経済的なリスクについて説明いたします。

イラン経済はどの程度原油に依存しているのか?

まずは皆さん、イランの経済といえば何を思い浮かべるでしょうか?

まず頭に浮かぶのは、中東だし石油でしょ!原油一本足打法でしょ!!という感じだと思います。

2015年の原油価格の下落によって他の原油生産国と同様に悲惨な状況になっていると考えている方が多いでしょう。

それでは実際エネルギー産業がイラン経済の中で、どのような地位を占めているのかを確認する為に以下のグラフをご覧ください。

如何でしょうか、確かに石油・ガス部門のGDPに占める割合は高いです。高いですが、15%に過ぎません。

 

これが意味するところは、例え2015年のような原油価格の暴落が起こったとしても、 ロシアや隣国のサウジアラビアのようにGDPが大きく落ち込み、財政も危機的な状況に陥ることがないということです。

 

因みにお隣のサウジアラビアのGDPに占める、エネルギーの構成は30%に上ります。偏っていますね。正に一本足打法です。

更にサウジアラビアはなんと原油ショックが起こる2015年時点で、政府収入のうち73%を石油収入が占めているという状況でしたので、石油価格が3分の1に凹めば当然財政収支が均衡しなくなり、外貨準備を切り崩していかなければいけない状態となります。

 

然しイランは中東諸国の中で、財政収支に占める石油収入の割合が最も低く、唯一40%を切っています。まあそれでも高いといえば、高いんですけどね。

出典:経済産業省

この理由は二つあります。

 

一つは制裁の影響です。前回の政治版で記載いたしましたが、制裁の影響で欧州は原油の輸入を制限し、大口取引先であった日本も東日本大震災の中にあってもイランからの石油並びに天然ガスの輸入を減らしました。

 

実際以下の図のように、イランの原油生産量は制裁前の日量450万バレルから、2013年には350万バレルまで減少しました。

出典:経済産業省

生産量が減り輸出量が減ったこと加え、価格も下落した為原油の収入が大きく落ち込みました。

これはどちらかというとネガティブな要因ですね。

 

二つ目はイラン政府の先見の明の高さです。

イランはいち早くエネルギーにあぐらをかいた経済構造からの脱却を図って様々な産業に先行投資をしてきた為、エネルギー以外の産業も発達してきています。

 

代表的なものに自動車産業があります。実は自動車は中東最大の規模を持っており、なんとGDPの10%を占めています。制裁の影響で2011年度の164万台(世界第13位)をピークに下落しておりますが、制裁緩和によって自動車部品や原料の輸入が再開し一時は70万台に落ち込んだ生産量を110万台まで持ち直してきています。

 

更に2025年までに310万台をイラン国内で生産し、100万台を近隣諸国に輸出するという目標を持っており、更に今後拡大していく予定の成長産業といえるでしょう。

 

また現在イランは1000人あたりの自動車保有台数は150台程度と少なく、国内の市場の拡大余地もまだまだ有しております。

 

更にGDPの構成比率を、産業別ではなくマクロ経済学的な五大要素 (個人消費、政府支出、投資、貿易)に分解した以下グラフをご覧ください。

 

このグラフから分かる通り、貿易の割合はGDPのわずか3.6%しか占めておらず、経済が原油の輸出に頼った形態ではなく、国内の個人消費中心の健全な経済構造であることが分かります。

 

 

人口構造はどうか?

 

日本のような超高齢化社会や中国のような一人っ子政策によって、今後労働人口が著しく低下する経済では、成長を見込むことが難しくなりますが、イランは中東で最大の人口並びに労働人口を有しております。

 

しかも20台~30台がVolume Zoneである為、今後も労働人口が20-30年に亘り増加し続けることがほぼ確定しており、労働人口面からの不安要素はないといっても過言ではないでしょう。

今後の展望

制裁によりマイナス圏に沈んでいたGDP成長率は、10%を超える高成長を実現するほど回復し、底打ちが確認され、今後以下の分野での成長が期待できます。

原油生産量の回復

生産により取引が出来なくなった欧州の国々や取引量が減少した日本への輸出が増加することにより、落ち込んでいた原油輸出量が順調に増えていくことが見込まれます。

 

現在OPECで協調減産を行っていますが、イランは制裁を受けていたことにより、一定程度の増産は認められている他、OPECの協調減産も期限付きであるため減産終了後は更に生産量を伸ばしていくでしょう。

そもそもの資源国としてのポテンショルは原油埋蔵量世界第四位、天然ガス生産量世界第二位と相当に高いので、爆発力を秘めています。

 

投資の促進

投資の促進は二方向からの改善が見込まれます。

一つ目は海外に凍結されていた、イランの個人または企業、金融機関の資産約15兆円が国内に還流することにより、老朽化した原油生産設備の改修を始めとした投資が行われる。

二つ目は海外資本からの投資です。前回【まとめ】イラン株に投資する際に抑えておきたいリスク(政治編)で既に述べております通り、2016年1月の制裁の解除・緩和(米国法人並びに個人は継続ですが、これは1997年からです)を境として、日中欧からの同国市場への投資の機運が高まっております。

 

然し現在のところ様々なプロジェクトに対してのMOU(覚書)は締結されてはおりますが、未だ実行には移されておらず、今後投資が実行に移されていけば更に経済が活発されていくでしょう。

 

個人消費の力強い成長

今までは、制裁の影響で通貨イランリアルが売り込まれ、海外からの輸入物価が大幅に上昇し、年率30%もの強烈なインフレが発生し、国民経済は疲弊していきました。

然し制裁の解除・緩和による安心感からイランリアルの減価も一服感があり、インフレ率も10%を下回る水準まで下落してきました。

国民としても、給料の増加を伴わない悪性のインフレによって実質的な可処分所得が減少し、消費が落ち込んでいましたがインフレの落ち着きにより、イラン経済の大部分を占める個人消費が底堅さをましていくことでしょう。

実際現在の経済成長を根底から支えているのは個人消費の伸びということになっております。以下図をご参照下さい。

※この図は名目GDP成長率なので、一見20%近い猛烈な成長を見せているように見えますが、実際はインフレの影響を受けているのでインフレ率10%を割り引いて実質成長をみてください。

まとめ

イラン経済は経済制裁と原油価格の下落に見舞われドン底時代は2010年代前半に味わいましたが、どちらも最悪の状況を脱しています。

アメリカ以外の制裁は解除され、原油の輸出は今後増加していくことが見込まれているとともに原油価格も落ち着きを取り戻しています。

このことから、最悪のリスクシナリオは既にイランの株式市場に織り込まれており、今後は様々な分野でのアップサイドを見込める状況となっており、ここからの下落余地よりは圧倒的に上昇余地の方が大きいといえるでしょう。

【合わせて読みたい】
新興国への投資の中でも、イラン株への投資が特に熱い理由を詳しく解説する。
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【まとめ】イラン株に投資する際におさえておきたいリスク (政治編)
イラン株投資の魅力を個別銘柄を用いて解説する。①
イラン株投資の魅力を個別銘柄を用いて解説する。②
魅力的なイラン株に投資するのはどうすれば良いのか、方法を説明する。

 

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