【まとめ】イラン株に投資する際に抑えておきたいリスク(政治編)

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こんにちは!航です!愈々2017年も最終日ですね。本年の書き納め記事となります。

【まとめ】新興国に投資する際に抑えておきたいリスクで新興国株式市場に投資する際に注意するべきリスクについて説明しました。重要なポイントは投資しようとする新興国に政治的、経済的な問題があるか、既に株式市場がバブルの域に達していないか。

 

更に重要なことは、既に市場が織り込んでいることなのか、それとも発生可能性が低いと見込まれているテールリスクと考えられていた、又は誰も考えていなかったことなのかを見極めることだと書きました。

 

政治的、経済的な問題が発生していても、それによって既に株式が売り込まれているのであれば、そこからのアップサイドを見込める為、寧ろチャンスが転がっている株式市場となります。

 

例えば、リーマンショック後の日経平均株価7000円台に落ち込んでいる2009年は、全員がもう株はだめだと匙をなげ、世界中の株式が売り込まれていましたが、それは百年に一度の金融危機を皆が織り込んでいたからです。

 

景気が落ち込んでいたとはいっても、実際のファンダメンタルより過剰に割安に世界中の株が放置されていました。

 

ではそこで冷静に分析をして資金を勇気を持って突っ込んだ人はどうでしょうか。その後、資産を二倍にも三倍にも膨らましたはずです。

今回は今私が注目しているイランという国がどのような政治的リスクを抱えているのか、そして今後どうなっていく見込みなのか、またリスクを抱えているとして市場がそれを織り込んでいるのかという点を説明していきたと思います。(経済に対しては次回分析していきます。)

イラン最大の政治的・地政学的リスクである制裁

 イランの政治的なリスクとして、最も大きいのが現在は一部解除となっておりますが、欧米諸国からの経済制裁です。

そもそもなぜ経済制裁が科されることとなったのかという経緯ですが、深刻な人権侵害により1996年から米国による制裁を受け続けていることに加え、イランが核開発をおこなっていることが明るみになったことを受け、2008年から国連として制裁を科していました。

今お騒がせしている北朝鮮と同じですね。

まあ本当の理由はイランが決済通貨をドルからユーロや円に変えてドルシステムの崩壊を目論んだからとか言われてますが。本当はどうなのかは定かではないので、ここでは議論しないこととします。

そして、この経済制裁の内容なのですが国連と二国間にわかれます。

国連制裁の主な制裁内容

核兵器、ミサイルや、それを支える技術のイランへの禁止

イランの金融機関の国際的な金融システムからの締め出し。(ドル決済からの締め出しが痛い)

核開発計画に関する個人や企業の資産の凍結

二国間制裁の主な内容

基本的には国連の制裁に準拠した形になります。

米国

最も強硬姿勢をとっているのは米国です。財務省の特別許可なしでのイランとの経済活動を禁止し、イランとビジネスを行う企業への制裁、イランからの輸入の禁止、イランの金融機関への制裁と非常に重い内容でした。更になぜか米国人や米国籍以外の企業がイランと取引を行った場合も、罰則を科すというイランからしたら余計なお世話な制裁を科していました。

更に2012年には在米のイランの金融機関や、イラン政府の資産の凍結という追加制裁までとっています。もう犬猿の仲ですが、20年以上も続いているので最早、イラン米国間では普通のことなのでしょう。

欧州

貿易をはじめ、金融、エネルギー関連ビジネスの商取引が減少。更に2012年に在欧州のイラン中央銀行の資産の締結を発表とアメリカほどではないですが、厳しい制裁を科しました。

日本

日本は従来イランと仲がよく、サウジアラビアについで原油をイランに依存しておりましたが、イランのエネルギーへの投資を禁止するとともに、イランからの原油の輸入を一部減らしました。優しいですね、欧米よりは。

制裁の影響

正直厳しすぎます。北朝鮮よりも厳しい気がします。。

この影響によって、制裁前には中東最大の経済規模を誇るサウジアラビアに制裁前はほぼ肩を並びかけていたにも関わらず、原油輸出の著しい減少、海外からの投資並びに商取引の著しい減少によりマイナス成長に陥りました。

更にイランの通貨イランリアルは制裁開始時に比べて400%減価し、輸入物価はあがり国内のインフレ率は年30%を越え、国民生活は困窮、消費も落ち込んでいきました。

転機と制裁解除

そんな中、イランに転機が訪れます。それは現在二期目を務めているロウハニ大統領の就任です。彼は海外融和型の大統領で、イランへの経済制裁解除に向けた施策を打っていきます。

そして遂に2015年7月にウランの濃縮などの核開発活動を長期間にわたり制限する内容が履行されたとして、2016年1月にイランの対する核関連の経済制裁解除を実現させます。

オバマ前大統領の退任を前に外交的成果として打ち出すためということもありうってつけの時期でした。

制裁解除後の各国の動き

それでは、上記の制裁解除の影響を受けての各国の動きを見ていきましょう。

中国

最も動きが早かったのは中国です。流石ですね、金の匂いに敏感です。一帯一路戦略を掲げる習近平国家主席はイランを訪問し、テヘランーマシュハド間高速鉄道を含む経済・技術分野での合意17件を交わした。

日本

日本政府は迅速に二国間投資協定を結び、100億円規模の与信枠と資金供与が約束しました。元々結びつきが強いので当然といえば当然のことですね。

因みにあまり知られていませんが、イランは親日本国家です。

欧州

欧州で最も動きをしたのはフランスです。フランスはエネルギー関連大手のトタルがイラン原油輸入再開の契約を結び、更にイラン最大級の油田の開発・技術協力に関する覚書を締結しました。

更に自動車分野やエアバスがイラン航空への販売契約を結ぶなど、エネルギー以外の分野でも動きだしました

次に動いたのがドイツです。流石は欧州の二大大国ですね。ドイツでは歴史的に繋がりがある、シーメンスが中心となって油田・ガス田開発についてイラン石油省と協議を開始し、ガスタービン製造ライセンスを供与。更にイラン国鉄から車両を受注し、さっそくイランのビジネスに参入していきています。

残念ながら、米国人は以前イランとの商取引を規制されており、米国からは主だった動きは聞こえてきませんが、各国が眠っていた竜の復活にこぞって商機をうかがっているという状況になってきています。

今後の懸念事項

制裁解除に伴って原油の輸出も回復基調となり、投資も活発化してきておりマイナスに沈んでいたGDP成長率も10%を超える水準まで劇的に回復してきていますが、まだ制裁解除についての懸念事項が残されています。

一つには制裁解除の取り消し措置条項あります。これをスナップバック条項といいます。

これはイランが核合意に違反さしたことが再度確認された場合、発動後180日の間にイランのとのビジネスを終了させない限り、発動以前の商売にも訴求され罰則が科されるというものです。

これにより、上記で記載した覚書や契約を未だに実行に移されていないという状況になっています。

二つ目は米国の制裁は完全に解除されていない点です。米国は核に関する制裁は解除していますが、人権侵害に対する制裁は2026年まで延長しました。(ちなみに1996年から施行されています。)

この1996年から続くイラン制裁法では米国人または米国企業の商取引が依然として禁止しています。

今までは米国外の個人や企業がイランと取引した場合に罰則を科してきましたが、今回の制裁緩和は、この米国人以外の取引に関する罰則を撤廃したにすぎず、米国人並びに米国企業は引き続きイランと取引することが出来ません。

アメリカは独自に制裁を続ける姿勢を維持しています。余程きらいなのでしょうね。

今後の展開

まず上記で述べたスナップバック条項ですが、国連で決めた制裁解除を米国も単独で強硬姿勢に臨むことも考えづらいですし、イランとして折角こぎつけた糸口を踏みにじりたくないので無闇に核開発を行うことはしないでしょう。

現実的に、今後スナップ条項が適用されることは現実的ではないと考えらます。

逆にいうと適用されると再びイランは混乱の中に陥り、低迷していく可能性はります。

然し、このスナップ条項を恐れて前項の覚書を締結した国々や企業も、未だ実行に移すのをためらうという状況が続いています。

つまり裏を返すと、このようなスナップ条項適用という事態をも市場は織り込んでいて未だ本格的な株、為替、債権共にイラン買の状況にはなっていないということを意味します。

この為、前回【まとめ】新興国に投資する際に抑えておきたいリスクで記載したような期待先行のバブルも発生しておりませんし、寧ろ制裁解除の影響が本格的に今後でてくることが予想される中でも未だ割安に放置されています。

更に現在イランの株式投資を出来る権限を有している外国人または外国籍の企業は1000にも満たず、今後これらの外国人の資金が本格的に流入することにより株式市場の本格的な飛翔が発生することが見込まれます

ロイターのNewsでも制裁解除が本格的なものとなれば、イラン株式市場に外国資本が大挙するであろうという観測もでておりました。

既にダウンサイドのリスクは織り込まれており、更にここからアップサイドを見込める状況にあるというのが現在のイラン株式市場の現状です。イラン株への投資を行うには正に今が絶好の好機であるといえるでしょう。

【合わせて読みたい】
新興国への投資の中でも、イラン株への投資が特に熱い理由を詳しく解説する。
今イラン株への投資が特に熱い理由を解説する(その2)
今イラン株投資が特にあつい理由をニュースを元に解説

【まとめ】イラン株に投資する際におさえておきたいリスク (経済編)
イラン株投資の魅力を個別銘柄を用いて解説する。①
イラン株投資の魅力を個別銘柄を用いて解説する。②
魅力的なイラン株に投資するのはどうすれば良いのか、方法を説明する。

 

 

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