バフェット流の銘柄選択手法⑥:株の仕込み時と売り時

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一応バフェット特集一旦今回で小休止にしようかなと思ってます。

前回バフェット流の銘柄選択手法⑤:市況要因による株価の買い時で株をお仕込むタイミングについて相場循環の観点から書いていきました。

今回は個別企業の要因でどういう時に買いを仕込んでいるのか、またどうなったら利益を確定しているのかということについて書いていきたいと思います。

バフェットが株を買う状況

まずは個別銘柄の影響でバフェットが株を買う代表的な局面をいくつかのケースで説明していきたいと思います。

産業全体の不況

狙っている個別株の分野全体が不況にさらされた時です。

このほうな時にバフェットはチャンスととらえ株を購入している。このような状況から業績が回復するには1~4年の期間がかかるが、最終的に倒産する企業もあるためそれを見極める必要があります。

これに乗じて買った銘柄として有名なのはバフェットのポートフォリオの主軸の一つを構成していたウェルズ・ファーゴ株である。

1990年から1991年の全国的な不動産市況の暴落と不動産担保ローンのデフォルトの影響を受けて、純資産のうち実に40%程度を貸倒準備金に充当。

実際には使用したものの、この金額よりはるかに小さい金額の損失に留まり、更に純利益まで計上しました。然し、株価は52%も急落、他の破産に瀕していた多く著貯蓄貸付組合と同列と見なされていたのです。

バフェットは同社を全米で最も優良経営を行っている銀行で指折りの利益率を誇る銀行と見なしていました。そこで、この段階で同社株を57.8ドルで購入しました。10年後に270ドルまで回復し、年約16.8%もの利益をあげたのです。

直近不祥事があって残念ながら売却してしまいましたが、かなり長期間もってたことになりますね。

個別企業の事情による下落

この例としてアメリカン・エクスプレス社があてはまります。

同社は1960年代半ばい、ある穀物ディーラーが所有する6000万ドル相当のサラダ脂の存在証明を発行し、そのディーラーは在庫を担保に6000万ドルの銀行融資を受けました。

然し、同社が返済不能になり銀行団が担保としていたサラダ油を処分しようとしたところ、実際には存在しなかった為、存在証明をだしていたアメックスに6000万ドルの肩代わりが科せられ、株主資本が殆どなくなりました。

これにより株式市場で大きく売りたたかれましたが、バフェットは持続的な競争力を持っている本業とは関係ないとして、購入しました。勿論、結果は大勝利です。

本業とは関係ないところでのスキャンダルは絶好の買場ということですね。

企業の構造的変化

企業の構造変化が特別損失を齎し、株価を急落させることがあります。

具体例としては合併やリストラ、企業再編などのコストが利益を圧迫するときですが、このような時にバフェットはすかさず買いを仕込みます。

ただ前回バフェット流の銘柄選択手法④:消費者独占型企業の定性的特徴を解説でも指摘しておりますが、消費者独占型の企業が消費者独占型の企業を買収する場合、バフェットは歓迎しますが、価格競争力型企業を買収する場合は様子をみるといっている為、注意が必要です。

戦争

我々日本人にはあまり馴染みはありませんが、アメリカは第二次世界大戦以降も頻繁に戦争を繰り返しています。

その度のバフェットはここぞとばかりに優良株を仕込んでおります。これはバフェットの師である、ベンジャミン・グレアムもいってくることであり、歴史的に証明されている手法ですね。

バフェットが保有株を売却するとき

バフェットが仕込む時については前回や前々回でも触れてきましたが、ではどのような時に売るのでしょうか。詳しく見ていきたいと思います。

相場がバブル状態になった時

バフェットは持続的競争力を有する企業を最良のタイミングで拾えた場合は、基本的にその銘柄を持ち続けます。

然し、それでも稀にPERが50倍を超えてくるような水準に株価が高騰した場合は、売却を推奨しています。

平均的な10倍~25倍のPERから40倍以上まで株式市場が盛り上がったら、それは投機的局面に突入したので直ちに保有株を売却すべきであると推奨しています。

バフェットがもう一つの基準として考えているのが、その企業の株式と債券を10年保有した時に、株式の方が儲けれるのであれば株式を保有すべできあるし、債券の方が儲けれるのであれば債券を保有すべきであると説いています。

コカ・コーラの例を用いて説明します。

コカ・コーラの1998年のEPS (一株あたり利益で算出式は純利益÷発行済株式数)は1.42ドルでした。そして過去10年のEPSの平均成長率は12%となるので、今後10年に得られるEPSの総額は以下のようになります。

1998年時点では株価、つまり1株あたりの企業価値は88ドルの水準でした。
88ドルしはらって、企業から10年間で齎される利益は25ドルということになります。

では当時コカ・コーラの債券を購入したらどうでしょうか。当時の社債利回りは6%だったの、今後10年間の収益は以下のようになります。

88USD × 6% × 10年 = 52.8 USD

つまり

株式投資で齎される利益 25USD < 債券で齎される利益 52.8USD

となり、債券投資を行う方が妙味があるということになるのです。

かりに株価が41.2USDを下回れば、株式投資の方が妙味がでてくるということになります。

ビジネス環境が変化した時

持続的な競争力をもつ企業を保有していたとしても、基本的なビジネスやビジネス環境が変化して価格競争型の企業になってしまった場合、または時代遅れになり陳腐化してしまった場合もバフェットは売却を推奨しています。

吉野家が、松屋とすき屋のせいで価格競争型の企業になってしまった等が良い例ではないでしょうか。

まとめ

株の買い時も売り時も、かなりセンスのいることだなという感じは否めませんが、個人的には株の売り時の債券と株の比較による考察は、なかなか示唆に富んだものだったのではないかなと思っております。

どんな時にバフェットが売買しているのかを見るためには、バークシャー・ハサウェイ株のポートフォリオを定点観測するのなんか有効な手法なんじゃないかなと思っております!

一旦バフェット特集は今回で小休止して、バフェット銘柄などをみつけたら詳しく分析していきたいと思いますので、これバフェット銘柄なんじゃない?分析してみてよ!みたいな銘柄あったら気軽に教えて下さい!

 

 

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