ベンジャミン・グレアムの考え方特集4~積極的投資家の投資指針とバリュー株投資の有効性検証~

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こんにちは!ワタルです。

前回のベンジャミン・グレアムの考え方特集3~防衛的投資家の投資指針~では防衛的投資家の投資手法について書いていきました。

今回は積極的投資家が選ぶべき銘柄選択の基準について紐解いていきたいと思います。

復習の為ですが、ベンジャミン・グレアムのいう防衛的投資家というのは安全かつシンプルな手法を好む投資家であり、積極的投資家というのは市場平均以上の利益を得ようとする投資家を指します。(参照:ベンジャミン・グレアムの考え方特集1~バリュー株投資のすすめ~)

成長株(グロース株)

ベンジャミン・グレアムのいう成長株を過去に一株当たりの利益が一般の株式より高い割合で増加してきており、将来的にそのような状況が続くと見込まれる株式を指します。

現在言われているグロース株のことですね。

成長株(グロース株)の否定理由

彼は成長株式を二つの観点から否定しています。

一つ目はこのような株は、それ相応に高い価格で取引されていることです。これはこの企業の将来性を既に織り込んだ価格となっている為です。

二つ目は、その企業が将来成長するという判断が正しいという保証があるとは言い切れないことです。成長企業がそのまま成長していくなんて言いきれないでしょ!ということですね。

寧ろ企業が既に大きく成長している場合、更なる躍進は難しく、その成長率は横ばい又は下降線となることが多いとしています。

成長株ファンド(グロース株ファンド)の実績

グレアムが集計した実績が10年以上に亘る成長株ファンドの実績はダウやS&Pの市場平均と同等又は低い運用結果となっていると指摘しています。

そして、グレアムはこれらのファンドが優秀な頭脳集団で運営されており、彼らの調査力や経験をもってしても、このような平凡な成績しか残せないということは、個人はこの分野に進出すべきではないとしています。

またグレアムの検証を更に補足するように、グレアム死後のバリュー株とグロース株の市場平均との比較をしたのが、以下の図となります。


赤がバリュー株で、灰色がグロース株なのですが、グロース株が市場平均よりも劣った成績しか残せていないことが分かります。

積極的投資家におすすめの投資手法

グレアムは長期的に平均以上の成果を得るためには

①客観的かつ整合性のある基準からみて、根本的に堅実であること。
②大多数の投資家や登記かのやり方と異なる

という二つのポリシーが必要であると述べております。そして、この基準を満たす方法として三つの方針を提示しています。

比較的人気のない大企業

これは魅力ある企業の株が過大評価されるのであれば、注目を浴びないことで過小評価されている企業が存在するよね、そこに投資しましょうという考えです。

ここで重要なのは一時的に人気の停滞している大企業としています。

大企業であれば、豊富な資本と頭脳で逆境を乗り切り、再び従来の収益軌道に戻る可能性が高いという点と、大企業が従来の姿に復活しはじめた時市場がきちんとそれを株価に反映する点です。

日本で直近で私が思い当たるのはパナソニックのような企業ですかね。

ここで実験好きなグレアム先生はダウ平均の中でPERが低い企業10社とPERが高い企業10社を1年間保有した場合の結果を以下のように発表しています。

成績順に並べると

低PER > 平均 > 高PER

ということが分かると思います。高PERについてはグロース株が多いので最初に述べた成長株を否定する論拠にもなっております。

然し、グレアム先生は本当に実験が好きです。実験で証明されないと有効ではないというスタンスを取っています。

グレアムは1969年までは良い成績をこの方法はおさめることができるが、1969年から1971年6月30日までの結果は低PERのポートフォリオの成績が芳しくないということもあり、更に以下の基準を加えることを推奨しています。

割安証券(バリュー株)の投資

さあ出てきました、バリュー株投資の推奨ですね。上はPERだけみましたが、今度は資産価値に踏み込んで割安かどうかを判断します。

この手法は「正味流動資産の価格が時価総額の3分の2以下の企業」に投資するという手法です。この方法については以前以下の記事に纏めていますので、ここでは詳述は控えます。

ネットネット株って何?ベンジャミン・グレアムの投資手法を分かり易く解説<図解有り>

ここでもグレアム氏は実験をしています。この条件で選んだ銘柄を85銘柄保有して、2年間保有した場合の結果を以下のように示しています。

①殆どの銘柄の時価総額が正味流動資産の総計と同程度まで上昇
⇒確りとあるべき値に株価は収斂していくということです。
②割安銘柄ポートフォリオの集計はS&Pを50%もアウトパフォーム
③大幅に下落した銘柄は殆どなし
④二年前と同じ水準の銘柄は7銘柄
⑤残りの78銘柄は高収益
⇒②~⑤割安投資が元本安全性が高く、市場平均以上のパフォーマンスを挙げれるということを示しています。

過小評価されている割安株を見極め購入することによって、安全に高収益を得られると断言しています。

この方法は過去一貫してよい成績を収めており、上の人気のない大企業が例外的に悪い成績をおさめることがあったことと比較しても、優位性があります。

私としては三つ目の大幅下落が殆どなしという点に着目したいところです。資産運用において最も大事なのは大きく下落しないことですので最も資産運用に適した手法であると感が、当ブログでもおすすめしております。

グレアムは現在のように株式市場が好況な場合、このような銘柄は殆どないのが欠点であると述べていますが、日本株は銘柄数が多いことおありこのような銘柄が比較的多い株式市場となります。

日本の株式市場の特徴とお薦め投資手法を解説

この昔から実証されている手法を更に洗練させて収益を上げ続けている管理人が投資しているファンドについて以下に纏めておりますので参考にしてみて下さい!

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