マクロ経済スライドをわかりやすく解説~貴方の年金が将来相対的に減額される~

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こんにちは!ワタルです!

今回は国民の老後の生活を支える年金の受給額が相対的に目減りしてしまうという政策についてわかりやすく解説していきたいと思います。

マクロ経済スライドの意図

マクロ経済スライド、この名前を聞いて具体的な政策の内容が分かる人はいないのではないでしょうか。

何故なら、これは政府が名前で政策の本質を胡麻化そうとしているからなのです。

この政策を分かりやすい名前に私が変更するとするならば「インフレ・賃金比年金減額法」という名前にするでしょう。この意味については下で詳細に説明します。

では何故、このような分かりにくい名前にしているかという点なのですが、年金を相対的に減額します!という分かり易い名前にしてしまうと、高齢者からの票が得にくいんですよね。

ご存知の通り、日本は超少子高齢化社会で若者の投票率は低く、高齢者の投票率が高いので高齢者に不利となるような政策は堂々と通しにくいという状況なのです。

然し、国の借金の規模を考えると、このまま放置しておくわけにはいかないので、こっそりと減額してしまおうと考え、この政策を考えたというわけなのです。

マクロ経済スライドの内容をわかりやすく解説

ではいよいよこのマクロ経済スライドの内容を説明していきたいと思います。

先程申し上げた通り、インフレ・賃金比年金減額法と命名した通り、物価上昇率(インフレ)や現役世代の賃金上昇率に比べて年金を引き下げようという政策です。

要は賃金や物価が上がった分に調整を掛けて、年金の価格を上昇させていこうという政策で、この調整率が2025年までは0.9%と定められています。

因みにこの調整率は「公的年金全体の被保険者の減少率の実績」+「平均余命の伸びを勘案した一定率(0.3%)」で計算されて改訂されていきます。

それでは場合に分けて説明していこうと思います。

物価・賃金上昇率 > 調整率 (0.9%の場合)

例えば、物価が2.5%上昇して賃金が2.0%上昇した場合を考えてみましょう。

この場合の実際の年金上昇率は低い方の賃金をベースにして2.0% – 0.9% = 1.1%となります。

 

つまり物価が2.5%しか上昇していないのに、年金が1.1%しか上昇しないということになるので、相対的に高齢者は貧しくなりますよね。

如何でしょうか、政府と日銀が2%のインフレを目指している理由が見えてきますよね。勿論これのみが要因ではないはずですが、これはある程度インフレを引き上げるモチベーションになっているはずです。

調整率0.9% > 物価・賃金上昇率 > 0 の場合

例えば物価上昇率が0.7%で賃金上昇率が1.1%の場合、低い物価上昇率に合わせて0.7%から調整率の0.9%を引くと、マイナスになってしまうので引き下げは0となる部分までにします。

つまり現役世代の給与は1.1%上昇し物価上昇率は0.7%増加しているにも関わらず、年金受給額は不変ということですね。

先程のケースと比べて、マクロ経済スライドによる相対的年金減額効果は小さくなります。

賃金・物価上昇率<0の場合

賃金と物価がマイナス成長となっている場合の年金受給額は以下のように同率の引き下げとなります。

つまり賃金は0.1%上昇して物価が▲0.5%の場合は年金も▲0.5%下がるという訳ですね。これは追加で0.9%引き下げる訳ではないのでマクロ経済スライドの効果がでません。

然し2004年に施行された、このマクロ経済スライドですが、高齢者からの票集めの為にデフレ経済下でも、この年金の引き下げは実施されませんでした。

マクロ経済スライドの実施実績

2004年に制定されたこの、マクロ経済スライドですがご存知のように日本はデフレ経済が長らく続いたが為に、実施されたのは2015年が初となりました。

2014年度をベースに考えるので、2014年度の物価上昇率が2.7%、過去三年間の賃金上昇率の平均が2.3%だったので低い方の2.3%を適用して、年金は2.3%-0.9%=1.4%の上昇と本来なるはずでした。

然し、先ほど上でも述べた通り、特例処置としてデフレ経済下でも年金をこれまで引き下げてこなかった分を加味して更に0.5%を引き下げ0.9%の上昇に留めました。

一方2016年度、2017年度は物価がまたマイナスに陥ったことから実施されず、現在は2015年度の一回きりとなっています。

今後の見通し

政府の狙いとしては、賃金が上昇していけば需要が大きくなるので結果的に物価が上昇していき、相対的に年金を減額していくことが出来ると見込んでこの政策を始めました。

現在日本は本格的な労働者不足の経済となっており、失業している状態の人がほぼいないという状態に突入しています。

今後更に労働者が減っていくことにより、給料の上昇圧力は高くなり結果的に徐々にインフレの経済へと戻っていくことがメインケースだと考えています。(参照:日本で想定されるインフレと、対策について徹底検証)

もし結果的にはインフレが発生しない未来が待っていたとしても、老後の資金については保守的に考えて見積もっておいた方がよいでしょう。

更に、現在0.9%となっている料率についても、マクロ経済スライドが思うように行えていない現状を加味すればまだまだ上昇する確率は高く将来的には更にインフレに対して減額されていくことも想定しておいた方がよいでしょう。

仮に2.0%のインフレが発生し、利率が1.0%と考えると実質的に1.0%ずつ貧しくなっていく計算になります。

以下に30年後に現行の水準比で実質的にもらえる年金の水準について想定した図をご覧ください。

30年後は実質的に現在の73%程度の水準しか貰えなくなってしまうということになります。

誤解頂きたくないのは、絶対額は増えていくけども物価水準と比して相対的に低くなっていうことですね。

例えば現在一カ月の生活費が30万円で年金支給額が25万円とすると、30年後は生活費が60万円になってるにも関わらず支給額は40万円にしかならないといったイメージですね。

資産運用の必要性

いずれにせよ、現在の状況が続けば結果的に財源が足らなくなるので、マクロ経済スライドが上手く機能しなかったとしても、他の手段を用いて年金を減額してくることは目に見えてきます。

以前老後の貯金のおすすめ運用方法を紹介~貯蓄から投資のすすめ~でも書きましたが、余裕を持った老後の生活を送る為にも、現在の年金の水準ですら今後資産運用を行い不足分を補っていく必要があります。

更に今回みてきたように今後年金が減額されていくことを考えると、益々資産運用によって資産を能動的に殖やしていく必要性があることが分かると思います。

おすすめの資産運用

資産運用の投資先については様々なものがありますので、以下以前書いた比較記事を参考にしてみて下さい!

【参照】
資産運用10種類を比較~リスク・リターン別に徹底解剖~

この中でも将来の老後の資産として管理人が最もおすすめするのは安定運用を行っている国内のヘッジファンドです。

私も実際に資産を預けているヘッジファンドではバフェットの師であるベンジャミン・グレアムの開発した本格的なバリュー株投資(参照:ベンジャミン・グレアムの投資手法を分かり易く解説<図解有り>)を実践し、極力資産下落リスクをミニマイズしながら着実に年間10%程度の利益を出し続けています。

実際今まで半年ベースでマイナスの運用成績はなく、この2018年第一Qのような日経平均が10%以上も急落した局面においても、3カ月ベースで1%程度の下落に踏みとどまっており、安定的な資産運用先としては、理想的な運用手法であるといえます。

私が実際に預け入れているヘッジファンド(BMキャピタル)について纏めておりますので、興味のある方は直接問い合わせを行い運用手法や過去からの運用実績について詳しく聞いてみるのが良いでしょう!

 

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