マレーシア株式市場への投資の魅力と注意点 〜新興国の株式投資で成功する為には〜

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こんにちは!今回はASEANの雄であるマレーシアの魅力と、株式投資をする上での注意点について書いていきたいと思います。

皆さんマレーシアときいて思い浮かべるのは以下の景色ではないでしょうか。

マレーシアの夜景
(画像参照元)

そう東南アジア諸国の中でシンガポールという特殊な先進国を除けば最も発展している国で、中所得国の罠を抜け出さんとしている国になります。

そんなマレーシアですが、これから投資していく妙味はあるのか?という点を今後の発展や抱える課題という観点から見ていきたいと思います。

マレーシアの経済の略歴と現在の成長率

1957年にイギリスより独立して以降、与党連合の統一マレー国民組織による長期安定政権が続き、1981年に就任したマハティール首相による日本の経済成長を模倣したルックイースト政策を掲げました。

他の新興国に先駆けて外資誘致や輸出増加に成功、高めの成長が続き今のアセアンの主導国としての位置を固めました。

マレーシアの経済成長率

実際んい経済成長率も5%で安定して推移していて中所得国の罠である一人当たりGDPが10,000USDを突破してきています。

このモメンタムを継続して先進国に近づくことができるかが今後の焦点となります。

 

人口動態-まだまだ経済が発展する人口ピラミッドの形状-

経済が発展していくことの前提条件となるマレーシアの人口ピラミッドなのですが、

綺麗なピラミッド型というわけではありませんが、若い労働人口がボリュームゾーンになっており、今後20年~30年間の労働人口が減少することはなく、成長する土壌としては問題ないレベルだと思います。

次に労働人口の質ですが、教育という面で小学校、中学校、高校への進学率や質に関しては日本の方が高い評かを得ていますが、教育システムが競争社会のニーズに応えている度合ではマレーシアの方が高い評価を得ています。

また大学ランキングでもマレーシアのトップであるUniversiti Malaysiaは日本の東大京大より下ですが、一橋大や慶応大よりは上という評価で、なかなかレベルが高いといっても過言ではないレベルとなっています。

人口動態と労働人口の質という観点からは成長する土壌が整っているといえるでしょう。

GDP成長のドライバー

次にGDPの成長の寄与を需要側と供給側の側面から見ていきます。

まず左側の需要面ですが、前回のインドネシアが投資のポーションが多かったのに比して、マレーシアの経済成長は消費が大きなポーションを占めています。

これは、国内経済が堅調で消費が活発に行われている内需主導型の成長で非常に安定した構造であるといっていいでしょう。

次に右側の供給面を見ていきましょう。

サービス業が成長を索引しているという成熟した産業構造であるといえます。

一人当たりGDPが高くなり賃金上昇により製造業が中国に移った後でも、成長していることが読み取れますね。

貿易産品と貿易相手国は?

上の図でみた通り、GDP成長にしめる貿易の寄与度は小さいですが、貿易を行う産品を生産するために働いている人たちは多いので、貿易がこけると国内経済にも甚大な影響が出ます。

これがグローバル化された経済の怖いところですね。

では輸出品目を見ていきましょう。

パーム油?なんじゃそりゃと思ってる方も多いと思いますが、総合商社時代に食料経理をしていてマレーシアから大量のパーム油を輸入していたんで、ああそうなんだという感じです。

ヤシ油ですね食用油としてよく使われます。

見て頂くと分かるのですが、資源の比率が全て合わせると30%を占めていますね。貿易では資源偏重型といえると思います。

そして貿易先は輸出輸入ともにトップは中国なんですね。中国向けに資源をい輸出しているので、中国が失速をすると、その影響をもろに受けてしまうという課題を抱えています。

以下中国の抱える課題について纏めておりますので、参考にしてみて下さい!

新興国株式投資おすすめの国はどこか:中国の抱える問題を大解剖①
新興国株式投資おすすめの国はどこか:中国の抱える問題を大解剖②

マレーシアが抱える政治的課題

09年から首相となっているナジブ首相によって設立された国策投資会社である1MDBの不正会計や不透明な取引問題が発生し、同首相の汚職嫌疑に発展しています。

更にマハティール元首相とナジブ首相の仲がわるく、マハティール元首相が与党を離脱し、野党と共にナジブ首相の辞任を要求するといった具合に政治的な混乱が続いています。

実際長年政権を維持している与党の得票率は低下傾向により、将来的には政権交代が発生することも見えてきており、政治的な不透明感が強まっています。

日本の自民党から民主党への政権交代の時を思い出しますね、結局混乱しただけで何も変わらなかった気もしますが、政治の停滞により経済は打撃を蒙りますからね。

マレーシア株式市場ーチャートと主要銘柄ー

マレーシアの経済については今まで分析し、中所得国の罠を抜け出しつつありながらも成長していることが分かりました。

それでは肝心の株式市場について掘り下げていきたいと思います。

マレーシア株式指数のチャート

まずはマレーシア株指数のチャート(青)ですが、日経平均(赤)と比べても大差ない成績になっています。

株価としては一旦上昇局面をおえて停滞局面に入っているということができますね。モメンタムが良好というわけではなさそうです。

マレーシア株全体のPERとしては15倍程度となっており、日経平均より少し高い水準で安くもなく高くもなくという水準となっています。

マレーシア株指数対日経平均

マレーシア株の主要銘柄

次にマレーシアの株式市場の現状ですが、以下のページで主要企業の情報を確認することが出来ます。

マレーシアの主要な株価

見て頂くと分かるのですが、PERは15倍を超えるものが殆どで中には60倍から80倍というような企業が結構あり、新興国であることを割り引いても割安な株式市場とはいえない状況ですね。

日本から投資する方法はネット証券で投資信託やETFが多く設定しているので、容易に投資を行うことが出来ます。

マレーシアの個別銘柄を購入する方法ーSBIや楽天証券から手軽にアクセスー

また楽天証券やSBIで個別株も取引できます。

私は楽天に口座をもっているので、ざっと調べたところ以下の銘柄の取引が可能であることが分かりました。(勿論ETFや投資信託も取引可能となっています)

楽天証券で取引できるマレーシア株

難点としては売買の往復手数料が4%かかることと、銘柄分析の難しさがあります。

当然財務諸表も企業製品の説明も英語なので、かなり骨が折れるでしょう。

マレーシア株投資まとめ

中所得国の罠を抜け出そうという段階で、労働集約型の産業から資本集約型への移行が比較的スムーズに進んでおり年率4%~5%の成長を維持している。

人口動態的にもまだ人口ボーナスは継続しているが、貿易面で中国に資源を輸出しているという構造で、中国失速の影響を受けることに留意する必要がある。

更に政治的な混乱により、政治・経済が停滞する可能性があることも頭の片隅に入れて起きたい。

株式市場は現在比較的高いPER水準にあるといえ、割安な市場という訳ではない為、銘柄選択は慎重に行わなければいけない。

敢えて新興国投資として資金を突っ込むかといわれると管理人は手を拱くといった感じの国です。

新興国への株式投資で成功する為には

さて今回はマレーシアの経済と株式市場について分析しました。マレーシアは国としては悪くないのですが、株式市場として見ると割安とは言えず、投資魅力はそこまで大きくないという状態になっていることが分かりました。

ただ、実際に様々な新興国の分析を進めていくと、マレーシアに関わらず、新興国とされている国の多くは、すでにマレーシア同様、国としては魅力的だが投資をするには遅過ぎるという状態になっていることに気がつきます。

では、新興国の株式投資で個人投資家が収益をあげるにはどうすれば良いのでしょうか。

私はこれまでの自身の経験から、新興国投資で収益を上げるに当たって、大きく3つ、個人投資家にとって困難な点が存在すると考えています。

1) そもそもどの国の株式市場が成長余力を保有しつつ割安に保たれているのか、全ての国の市場を分析するのが難しい

2) 魅力的な株式市場において、どの固有銘柄が市場の上昇以上の伸びを見せる有望銘柄なのか、個別株の分析が難しい(特に、言語の壁もあるので)

3) 先行者利益が得られるような本当に有望な新興国というのは、大抵、法整備などが整っておらず、投資に当たっての手続きが煩雑

私自身は、このような困難を乗り越えて真に魅力的な新興国へ資金を投下するため、新興国投資を専門的に行っているヘッジファンドに資金を預けています。(参考:ヘッジファンドの投資手法の種類とヘッジファンドの顧客について解説する

彼らは株式投資のプロとして、世界中の有望な株式市場を網羅的に分析し、その中でも優秀な企業に対して集中的に投資を行っています。

一例として、私が投資しているヘッジファンドが現在注力している市場にイランの株式市場がありますが、イランはマレーシアと違い、投資魅力がまだまだ非常に大きく残されています。

大前提としてイラン経済はマレーシア同様、理想的な人口構造に加えて消費中心の安定した成長を遂げており、将来有望な新興国です。

しかしイランが特に投資先として優れているのは、まだ外資が入っていないため、割安かつ高配当のまま株式市場が放置されているからなのです。

これは制裁の影響で外国人投資家の参入が抑制され、国内も強烈なインフレにより株式投資ができなかったことが要因です。その為、現在イランの株式市場は以下のような状況になっています。
・ 主要な銘柄でもPERは4~6倍
・ 配当利回りが15%以上の銘柄がごろごろ
・ 投資信託やETFによって外国人がイランに投資することは、まだ出来ない

私の投資先のヘッジファンドは、イラン株が非常に魅力的であることにいち早く気付き、イラン当局からイラン株投資許可をえるために動き出し、2017年に恐らく日本人で唯一イラン株に投資する権利を取得したそうです。こういったアプローチは、個人では難しい動きでしょう。

新興国への株式投資で成功したいという場合には、こういった新興国投資のプロに資金を預けて他者に先駆けてエマージングマーケットの成長を享受することを考えるのも方法の一つなのではないかなと思います。

パキスタンの株式市場の例もあるように、大手の証券界者が乗り出しETFや投資信託を組成しだしたときに、その国の株価は本格的に上昇していくものです。その一歩手前に、何かしらの方法でその市場へ投資をしていることが大切です。先行者利益をどのように得るかが、新興国市場への投資における最も重要なポイントだと私は考えます。

以上。上記で言及した、新興国へのエッジの効いた株式投資を行っているヘッジファンドであるフロンティア・キャピタルについて詳しく知りたい方は、以下からどうぞ。

⇒ フロンティア・キャピタル(Frontier Capital)の投資ファンドとしての魅力やリスクを解説する

また、ファンドやETFを含め、新興国に投資する際のおすすめ度ランキングは以下にまとめていますので、興味ある方はのぞいてみて下さい。

それでは!

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