外貨預金がおすすめできない理由と外貨取引の注意点を元為替トレーダ目線で解説

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こんにちは!ワタルです!

皆さんの中にはこの後、財政破綻等により日本円の価値が下落するのを恐れて、日本円だけではなく他の通貨建の資産を保有しとかなければと考えて外貨預金をしている方もいらっしゃるのでしゃないでしょうか??

確かに1USD=100円から1USD=200円の円安となれば、円建の資産価格は変わらなくてもドル建の資産としてみれば以下のように半額になってしまいます。

 

外貨預金は通貨分散ができる他に、日本の超緩和的な金融政策によって金利がつかない日本円と違って金利も得ることができるというメリットもあります。

外貨預金を行うよりFXを用いる方が効率的に且つ、お得に同じ効果を得ることが出来ます。

FXの方が理にかなっている点と、そもそも通貨取引を行う上で考えておきたい注意点について総合商社の元為替トレーダーであった管理人の視点を交えて記載していきたいと思います。

最後に本当におすすめの資産運用法についても言及しておりますので、参考にしてもらえればと思います。

外貨預金はFXに比べてあらゆる点で劣っている

まずはっきり申し上げて、外貨預金を行うメリットといのはFXで全て享受することが出来ます。

全ての面においてFXの方が優れていると言えます。

FXと比べて異常に高い手数料

まずなんといっても手数料の高さがデメリットとして挙げられます。

三菱東京UFJ銀行によると外貨預金に預け入れる際と引き出す際にそれぞれ米ドルで1%、豪ドルで2.5%の手数料が発生します。

つまり往復で米ドルで2%、豪ドルで5%の手数料となります。


(参照:http://www.bk.mufg.jp/tameru/gaika/hajimeru/kiso/kawase.html

米ドルを預け入れた場合、預入時を100円とすると2%ドル高円安(100円⇒102円)になって初めて元がとれて、豪ドルの場合は5%豪ドル高円安(80円⇒84円)で漸く元が取れるということです。

如何でしょうか、はじめから大きなハンデを負って試合がはじまっているようなものです。

ではFXのレート差はいかがでしょうか。

大手のGMOクリック証券では米ドルは往復でたったの0.6銭つまり0.006円で約0.05%、豪ドルは往復で0.7銭つまり0.007円で0.08%となります。

同じ外貨への変換であるにも関わらず、外貨預金はFXに比べて手数料が30倍から60倍になってしまうのです。

私が為替トレーダーとして銀行と口頭で売買を行っていたのですが、その際のドル/円の手数料は1銭だったので、FXの手数料は非常に低い水準であることが分かると思います。

FXと比べて大きな資金拘束

次に資金拘束の観点からもFXに対して不利になります。

例えば、現在1USDが100円であるとすると、1万USDを持とうとすると、手数料を1%とすると101万円の資金が必要になります。

然しFXはレバレッジ10倍で考えたとすると、1万ドルの米ドルを持つために必要なのはたったの10万で可能になるのです。

10倍だから10分の1で良いと考え10万しかいれていないと、自分の不利な方にレートが動いた場合にすぐに追加の証拠金を入れるようにFX業者から求められます。

最大為替変動を20%と見積もって、10万+20万=30万円で1万USDを保有することが出来ます。

比較すると1万USDを保有するのに
外貨預金:101万円
FX:10万円~30万円

FXを使用することで10%~30%の資金で通貨分散を完了させることが出来ます。

余った資金を他の有望な投資先に回すことができるようになるのです。

上級編:市場実勢で預入・引出すことが出来ない

この点は理解するのが難しいと思われますし、上記二つと比べると些細なことなので余程興味がない場合は読み飛ばしていただければと思います。

先程掲載したBTMUの図で、TTMが100円の場合外貨を預け入れる時はTTSの101円、引き出す場合はTTBの99円が適用されます。

TTは全てTelegraphic Transfer (電信)の略なのですが、TTSのSは銀行側のSellingつまり顧客側の外貨買(外貨預入)レート、TTBのBは銀行側のBuyingつまり顧客側の外貨売(外貨引出)レートと覚えて頂ければと思います。

ではこのTTM(Telegraphic Transfer Middle)とはなんでしょうか。

これは日本の為替市場の特殊な点なのですが、朝9時55分時点での為替Rateになります。昔からの慣習なのです。

TTMは、各銀行が9時55分時点にEBSというプライスボードが触ったRateの中から、選択して設定することが出来、特に期末日なんかでは、各銀行で5銭程離れることがあります。

例えばTTMが106円で決まったとしたら、TTSは107円、TTBは105円に設定されます。つまり預け入れる時は107円が適用され、引き出す時は105円が適用されるということです。

TTMが決まる9時55分のあと引き出そうと思った午後2時時点で109円に上昇していたとします。

すると本来であれば引き出す場合のTTSは109円ー(手数料)1円=108円となるべきですが、引き出しレートは9時55分時点のTTS Rateである105円のままとなってしまうのです。

つまり実際に比べて3円分さらに損をしてしまうことになってしまいます。

一方、上記の図のケースだと預入レートは14時時点での実勢レートから勘案すると110円となりますが、TTSが適用すると107円で外貨を預け入れることが出来るようになり外貨預金利用者側に有利なレートになってしまいます。

銀行としても市場実勢で取引できるのが、109円なのに預入レートがTTSの107円を適用されてしまうと損失を蒙るわけですね。

このようの銀行側が損失を蒙るような相場変動があった場合、銀行はレートを再設定しますので、外貨預金利用者側が損をすることはあっても得をすることはありません。

 

まとめ

以上の点から手数料、市場実勢での取引、資金拘束全ての面でFXの方が優れているかと思います。特に手数料の違いは大きく、外貨預金を行うメリットはないといっても過言ではないでしょう。

次に外貨取引を行う上での注意点について纏めていきたいと思います。

外貨取引を行う注意点①:弱い個人投資家

FXで儲けてやろうとトレーディングをされる方は結構多いのではないのでしょうか?

実際日本の個人のFXを行っている人達は為替業界ではミセス・ワタナベと呼ばれ存在感を放っています。

然し、日本人の個人投資家の勝率(資産をFXで増やした人の割合)は2017年度41%で2016年度は37%でした。

上がるか下がるかをあてるゲームなので、基本的には勝率は50%近辺になるはずなのですが、明らかに他の為替市場のプレイヤーからカモのされていることが分かります。

私の総合商社時代の為替トレーダとしての経験からいうと、為替市場で圧倒的に有利なポジションの立場が二つ存在します。

一つ目は銀行の為替トレーダーです。為替取引は銀行を介さないと出来ないため、BTMUのような大きな規模の銀行には顧客の取引情報が集まってきます。

彼らはその日の注文の集まりかたから、どの水準を抜けるのが難しく、どの水準を下回れば下落が加速するか分かっているのです。更に常に板に張り付いているので、細かい値動きを取ることができるのです。

二つ目は機関投資家や大手のヘッジファンドです。彼らは自己資金が非常に大きい為、相場自身を動かし、相場の流れを作ったり変えることが出来るのです。

為替市場が勝つか負けるかの勝率が50%の市場である為、彼らが情報や資金力で勝っている分個人投資家が負けているという構図なのです。闇雲にFXにトレーディング目的で参入することはおすすめできません。

外貨取引を行う注意点②:元本割れ

ここからはトレーディング目的というよりは、通貨を円と他の通貨に分散する通貨分散目的でFXを使用する場合の注意点です。

当然例えば1USD=100円の時にUSDを買って、そのあと90円に円高にふれたら、10円分の損をします。

注意点としては円安の時に外貨買円売を行うのは避けた方がよいでしょう。私が目安としている水準は1USD=100円です。これより上では円安水準ですし、これより下であれば円高水準とざっくり考えて頂ければと思います。

為替の決定要因については以下記事に纏めております。(参照:円高?円安?為替レートの決定要因ってなに?~元為替トレーダーによる外貨取引講座~ 

因みに現在2018年5月25日時点での1USD=109円という水準ですが、以下のポジションを見て頂ければ分かるのですが、丁度ドル/円はポジションの傾きがほぼない水準でフェアウェイど真ん中という感じになっています。


(参照:http://www.phillip.co.jp/fx/imm/

ここから、どのように動くかは大きな資金力を持っているヘッジファンドがどう動くかに左右されます。

私は個人的には今後円高の方向に傾くと予想しています。

実は昨年ユーロがドルに対して20%程増加しましたが、これは欧州の中央銀行であるECBが超緩和的な金融政策を正常化すると匂わせたことが要因です。(実際にはまだ動いていません)

一方の日銀は米国と欧州に遅れ、日本の物価が上昇しない為、金融政策正常化に対して最も遅れており現状出口に対して動きだす気配をだしておりません。

しかし、日銀のバランスシートは拡大し続け、いつまでも金融緩和を行うこともできない為、どこかのタイミングで出口を匂わす必要が出てきます。

日銀が出口を匂わした瞬間に大幅な円買が発生し、90円近辺まで円高が発生していくとみています。

【参照】
日米欧の金融政策を徹底解剖

外貨取引を行う注意点③:低金利な先進国通貨

外貨取引を金利目的で行うかたもいらっしゃるでしょう。

先進国通貨で高金利といえば豪ドルを思い浮かべるかたもいらっしゃると思いますが、実は豪ドルは度重なる利下げで政策金利は1.5%ともはや米ドルと同じ水準になっています。

トマ・ピケティの21世紀の資本論でいわれているように、最早先進国は金利を上げることはできないのかもしれません。一番高い先進国金利ですら1.5%です、投資妙味は低いといえるでしょう。

金利を目当てに外貨取引を行うのであれば、FXで3倍程度のレバレッジを掛けるか、レバレッジを掛けるのが怖いのであれば米国債並びに米国の社債取引をおすすめします。

以下は楽天証券で取引できる債券ですが、社債と国債でポートフォリオを組むことにより3%程度の利回りは確保することができるでしょう。

外貨取引を行う注意点④:高金利通貨の罠

日本人に多いのですが、南アフリカランドやトルコリラ等の高金利通貨についてSWAPポイントを狙って高金利通貨買を行いがちです。

然し、その国の政治情勢や財政状況、経済について特に学ばず、高金利というだけで買ってしまい、大きな危機が起こった時に大幅に下落して追証をくらうというケースをよく聞きます。

実際私の過去の取引先の方にも南アフリカランドをナンピン買いしつづけて、政治的なショックが発生して大幅に下落して全財産を失った人もおります。

例え10%の金利があったとしても、為替レート自体が20%、30%時には50%も下落しては金利どころではなくレート自体で大きな損失を蒙ってしまうのです。

まず考えて頂きたいのですが、なぜ金利が高いのでしょうか。

ここに立ち返らないといけません。金利が高いのは、それだけの高金利を設定しないと誰も買ってくれないから金利を高くしているのです。

私の経験上、南アフリカも、トルコリラも、ブラジルレアルも2年に一度は大幅な下落を経験しています。その度に日本人は大量に追証を迫られているということを繰り返していますので、慎重に考えて頂きたいと思います。

このリスクの代償として高い金利を頂いてるわけですので、金利が高いから購入というのは非常に安易な考えであるといえます。

外貨取引のまとめ

外貨取引を行うのであれば、外貨預金よりFXの方が得であり、FXでトレーディング目的で個人が勝つのは非常に難しくなっています。

通貨分散をすると共に先進国通貨の金利を目的とするならばFXでレバレッジを掛けるか、債券取引が有効な手段となります。

また新興国通貨は、金利は高いが金利が高いには高いだけの理由があり、確りとその国の現状を分析せずに高金利という理由だけで購入するのは危険となります。

外貨取引を行うのであれば、先進国で一番高金利となっている米ドルを1USD=90円を下回った時に購入して米債券又はFXで3倍程度の低いレバレッジを掛けて、通貨分散をしておくことに留めることをおすすめします。

資産を殖やすというよりは、資産の安全性を高める為に外貨取引を使用するのがよいでしょう。(参照:FXは資産運用に適しているのか)

おすすめの資産運用

為替トレーダーとして日中ずっと相場に張り付いていた経験からいうと、外貨取引で資産を継続して形成していくことは非常に難しく、資産を殖やす為にはやはり王道の株式投資が適していると考えています。

その中でも私がおすすめしているのは、私募ファンドであるヘッジファンドへの投資です。

ヘッジファンドは絶対収益を追求し、私が投資している国内ヘッジファンド(BM CAPITAL)では毎年平均して10%以上の利回り、過去運用マイナスの年はなしと素晴らしいパフォーマンスを上げています。

投資手法はウォーレン・バフェット氏の師であるベンジャミン・グレアム氏によって開発されたバリュー株投資という手法を更に改良した手法であり、投資簿価の安全性を第一に考えた上で安定した利益を追求した運用を行っております。(投資手法詳細はこちら:ネットネット株って何?ベンジャミン・グレアムの投資手法を分かり易く解説<図解有り>)

また外貨取引のように、自分で投資判断をする必要もなく、一度ファンドに預ければファンドマネージャーによって自動的に運用して資産を殖やしてくれます。

資産運用を考えておられるのであれば、一度考えてみることをおすすめします!

【参照】
BMキャピタルの評判・運用成績・運用手法を徹底解剖
【2018年】日本のおすすめヘッジファンドと、投資する際に気をつけたいポイント

 

 

 

 

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