新興国への投資の中でも、イラン株への投資が特に熱い理由を詳しく解説する

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前回の【まとめ】新興国への株式投資で儲けるために絶対におさえておきたいポイントで新興国投資における注意点と魅力的な新興国株式市場の条件について記載しました。

その中で現在イランに注目しているということに軽く触れましたが、なぜイランが熱いのかという理由について書いていこうと思います。

イランの概要

まずイランの基礎的なデータを列挙します。
人口:8000万人 (中東で最大)
面積:1,648,195平方キロメートル(日本の約4.4倍)
民族:ペルシャ人
首都:テヘラン
宗教:イスラム教シーア派
大統領:ハッサン・ローハニ (2013年8月就任、2017年5月から再選)
GDP成長率:6.5%
原油埋蔵量世界第4位、生産量第7位
天然ガス埋蔵量世界第1位、生産量世界第7位

ところで、皆さんイランに対してはどのようなイメージを抱かれてますでしょうか?
恐らく、危ない国で米国と仲が悪くテロリスト国家であるというイメージだと思います。

然しイランは実は中東ではサウジアラビアと並ぶ中東の大国として君臨しており、近年騒がれているイスラム国に侵略されているイラクと名前が似ていることから、イラン=危ない国という認識が皆さんの中に染みついているのだと思います。

実際イランは前働いていた総合商社もサウジアラビアと共に現地法人を有しております。

本当に危ないところに拠点は作らないので、実はイランは安定している国ということの一つの証左になると思います。

魅力的な市場であることの検証

次に前回触れた魅力的な新興国株式市場の条件として挙げたポイントを検証していきます。

経済発展の条件を満たしているか

経済発展の条件としてまず人口が山型に近い形状であり、今後労働人口が増える人口構成となっているかというのが第一の条件であると前回書きました。

イランの人口構成は以下のような形になり、完璧な富士山型とはいえないまでも、安定的に労働人口が供給される人口構造であることが分かります。

現在のVolume Zoneである20代から30代の方は今後30年間労働人口であり続け、人材の成長と共に生産性は高まっていきます

因みに日本では60代から70代がVolume Zoneとなります。最早末期的な人口状況ですね。

次にこれだけではなく、確りとした文化的な土壌が整っているか、教育水準は高いかという点が重要となります。

まずイランの宗教ですが、イスラム教シーア派となります。イスラム教といえば、危険な思想と日本人は思いがちですが、それはイスラム原理主義者のことです。イスラム教には大きく分けてスンニ派とシーア派が存在します。

シーア派はイスラム教の正当な後継者は教祖ムハンマドの血を引く子孫であるべきだという思想になります。一方スンニ派は必ずしもムハンマドの血を引いている必要はないという宗派です。

重要なのはイランはシーア派が大多数をしめており、宗教という面で安定しているということです。お隣のイラクではシーア派とスンニ派が国民を分断しており、争いが絶えません。(これがイスラム国発祥の要因です)

つまり国内で宗教により争う状況ではないという点を押さえてください。国内が内戦状態が続く国は過去のカンボジアやシリア等をみれば一目瞭然ですが間違いなく成長しません。

次に教育レベルですが、日本の外務省曰く教育熱心と評しておりかなり確りしています。教育制度は大学まで日本と同じで、中学までが義務教育となっています。大学入試もセンター試験のようなものがあり、全国で熾烈な受験戦争が繰り広げられています。

日本も韓国もそうですが、高校までの基礎教育が確りしており、大学への進学欲求も高い国は例え資源が少なかったとしても頭をつかい成長します。

更にイランは天然ガス埋蔵量世界第1位、生産量世界第7位と資源も有しています、人的、資源的要因から成長しないことを想像する方が難しいです。

経済成長は持続可能か

イランの直近の実質成長率は
2014年 4.05%
2015年 ▲1.61%
2016年 6.54%

2017年はまだ確定しておりませんが、5%程度と堅調な経済成長を遂げています。

2015年は制裁と原油価格下落の影響 (詳細は後述) の影響でマイナス成長となりましたが、制裁解除となった2016年は成長率12.5%で世界第一の成長率と大きく躍進し、傾向としても経済が底を打ったのが見て取れます。

ちなみに左の図は実質GDPで右の図は名目GDPとなります。

実質GDPは、その名の通り実質的な成長率でインフレの影響を加味した上での成長です。
例えば、時給1000円貰ってた人が1200円貰えるようになりました。
けど世の中の価格は上がっていて100円の缶コーヒーが110円に上がってます。
という状況があったとします。

名目GDP成長率は1000円が1200円に上がったので20%の成長に対して、
実質GDPは世の中のモノの価格が100円から110円に10%上がっているんだから、
実質的な豊かになった割合って給料増加率20% – 生活コスト増加率10% = 10%だよね。
という考え方です。

イランではインフレ率が10%近くあるので、名目成長率はとんでもない数値になります。

ちなみに制裁が発表された2009年編は以降は、通貨イランリアルが暴落して、輸入品の価格が高騰。インフレ率は30%になり、イラン中銀は利上げを迫られ国内景気停滞という状況だったので大分状況はよくなってきています。

いずれにせよ重要な所は、2015年に景気が底をうち個人消費が堅調な伸びを示しているという点です。

以下のGDP構成比を見てください。

同国の50%以上の構成割合を占める個人消費が力強い伸びを示しているということは
国内景気が浮揚していることの象徴といえます。

国内の需要が活発であるからこそ、インフレつまりモノの価格が上がっていくことの
一端を担っているともいえるでしょう。

更に今後の成長の伸びしろは以下が上げられます。

今後も続く人口並びに労働人口の増加

海外からの資金の還流
経済制裁の解除により海外に凍結されていた15兆円程度の資金の国内還流が見込まれます。
これにより国内の投資並びに消費が活発化されると共に、資源の精算設備の改修が進み
生産量が飛躍的に伸びることが期待されます。

原油や天然ガスの生産量並びに輸出の増加
経済制裁により、豊富な資源を有していたにも関わらず、取引並びに生産が制限されていたエネルギー産業が再び浮揚することが期待されます。

誰もが目を付けている国は既に成長が織り込まれてしまっていますが、一見まだ人の注目が集まっていない有望な新興国市場こそが今後の爆発を見込めます。

大国への依存度は高くないか

上のグラフでもみてとれますが、GDPの中の貿易に占める割合はたったの3.6%しかありません。経済制裁の影響もありますが、貿易に依存していない経済であることが分かります。

つまり韓国や東南アジアのように世界経済が不振に陥ったり、べったりの中国が不振に見舞われると自国も追随して不振に陥るという構造ではりません。

また前項でも触れましたが、抑々の潜在能力は高いため今後の伸びシロでもあります。

その上で輸出先の国を見てください。

非常にバランスが取れていますね。

中国が多いように見て取れますが、現状でも大きく依存しているというレベルではなく、更に制裁が解除され日本や欧州との取引量が多くなることに伴い、割合は次第に小さくなっていくことが見込まれます。

世界情勢や貿易相手国によって大きく左右されるような状況ではないことが分かります。

極端に偏った産業構造ではないか

今回は消費や投資、貿易といった構成要素ではなく産業別のGDP構成を見てください。

予想と違い意外ではないでしょうか。完全に、石油・ガス部門に偏重しているというイメージがありますが、実はサービス業中心の先進国と同様の経済構造になっています。

サウジアラビアやロシアのようなエネルギー偏重型の国ではエネルギー価格が崩れると大幅にGDPが落ち込み、財政まで悪化して株式市場も売り込まれてしまうという状況になります。

イランもエネルギーの潜在能力は天然ガス埋蔵量一位、原油埋蔵量七位という高さですが、経済制裁によって抑制されていたので、エネルギー分野はここから大きく伸びていく、つまりアップサイドが期待される分野になります。

その他にもイランには自動車産業が盛んで100万台を生産し、既に世界10位の生産力を誇っており、今後5年で300万台に生産量を増やすことを政策目標としており、成長が期待できる分野となっています。

その他にも観光資源を利用した観光産業等もあり、エネルギーに依存していないバランスのいい経済を構築しているといえるでしょう。

日本から証券会社を通して購入できるか

現在日本から証券会社を通じてイランの株式を直接はもちろんのこと、間接的にも投資することは出来ません。有名どころのネット証券で投資信託やETFを調べてみましたが、それすらもありませんでした。

ここで諦めてはいけません、実はイランに赴き証券会社で口座を開設すれば、外国人でもイラン株式を購入することが出来ます。因みに現在イラン株に直接投資できる外国人投資家は946名しかいないみたいです。

いやいや、ハードル高すぎでしょ!!
という声が聞こえてきますが、イランにいかなくてもイラン株に直接投資できる手法を後程解説します。

むしろ前回の記事【まとめ】新興国への株式投資で儲けるために絶対におさえておきたいポイントでも書きましたが、参入障壁が高いことは他の外国人に対して先行投資ができるということを意味しており、寧ろ大きなチャンスとなります。

イラン株が特にアツイ理由

今までのことからイランが実は中東で最大の人口を抱えた大国であり、人口並びに労働人口は増加していき、産業構造は先進国に似たサービス業中心で貿易相手国に依存していない国内の個人消費中心な堅固な経済であることが分かりました。

ここからは、なぜイランなのか、なぜ今イランに注目するべきなのかという点について記載していきます。ポイントは二つあります。

2016年に行われた制裁の解除・緩和

制裁中は国際的な金融システムから取り残されていました。制裁中に銀行取引できる外国銀行はわずか50行程度でしたが、2016年末には238件に増加しました。

しかし、まだ大手銀行はまだ米国の目を気にして、米国からの制裁の復活を危惧して取引に慎重な姿勢を見せている状況で、今後大手行が取引に着手をしだすと大型の海外からの投資が更に活発に行われる環境が整います。

更に制裁解除後、イランの原油生産量は制裁中の1.5倍に増大しましたが、かつて生産量1位だった1980年前後の半分にも満たない状況でまだまだ増加余地があります。

更に現在生産量が抑えられている原因に掘削施設の老朽化がありますが、制裁解除により海外に凍結されていた15兆円が国内還流することにより改修することが出来ます。これにより生産量を更に引き上げることが可能となると共に、国内の投資活動も活発となります。

制裁解除後は今まで引き上げ続けていた欧州からの投資マネーも戻り始めており、今後も資金流入の流れは加速していくことが想定されます。前勤めていた総合商社もイランに着目していて、プロジェクトがかなりの案件数で進んでいるという話も聞きます。

昨年、アメリカ融和策をとっているローハニ大統領が再選されたことからも、今後再び米国との関係が悪化していく可能性は低いと見込まれ、順調に緩和解除の影響がポジティブ方向にでていくと見込まれています。

実際の経済制裁緩和・解除の影響が実体経済に影響を及ぼすのは2年後からと言われており、2018年はイラン経済が本格的な成長を遂げる年となることが見込まれます。

圧倒的な割安株が多く存在している

上でも記載しましたが、現状イランに投資できる外国人投資家は946名しかいません。
これの意味するところは、海外の投資家から放置されているということです。

つまり真っ当な分析がおこなわれておらず、制裁の残り香もあり圧倒的に割安に評価されています。

正当な評価が行われれば、現時点で4倍以上に跳ね上がる株価がごろごろとしており、お宝の山となっているのが、現在のイラン株式市場です。

ここが一番重要なポイントです。

香港や東南アジアのような日本にいながら直接購入または、ADR(米国以外発行の株式を米国の預託銀行が取得し、その預かり証券を米国株式市場へ上場) で購入できる株式は、アナリストが分析をして、ある程度適正な株価水準となっています。

然しイランではイランの証券会社に行き、直接口座を開設しなければ取引できないため、分析をするアナリストもいません。その為、宝の山状態となっているのです。

そもそも良好な経済構造で、尚且つ制裁解除もあり更なる経済成長が見込まれるなかで、圧倒的に割安に放置されている株式に投資することが出来れば、大きなチャンスを掴むことになります。

これが私がイラン株式市場に着目している理由です。

下落リスクが少ない資産運用に適したバリュー株投資の要素を基本にしつつ、通常のバリュー投資には何倍にもなる可能性を秘めた株式というグロース株の要素を持った正に資産運用の攻めを担うのに相応しい株式市場であるといえます。

例としてイランの有望な個別株に対して分析しておりますのでご参照下さい。                           イラン株投資の魅力を個別銘柄を用いて解説する①
 イラン株投資の魅力を個別銘柄を用いて解説する

【合わせて読みたい】
今イラン株への投資が特に熱い理由を解説する(その2)
今イラン株投資が特にあつい理由をニュースを元に解説

【まとめ】イラン株に投資する際におさえておきたいリスク (政治編)
【まとめ】イラン株に投資する際におさえておきたいリスク (経済編)

イラン株への投資手法

先程も記載したように現状日本の証券会社経由ではイラン個別株への投資は勿論のこととして、ETFや投資信託での指数投資もできない状況となっています。(参照:魅力的なイラン株に投資するのはどうすれば良いのか、方法を説明する。)

然し、ごく一部の先見性のある日本のファンドの中にはイラン株への投資許可を取得し投資を開始しており、私も資金を投下しております。

イラン株への投資に興味のある方は以下サイトからアクセスして問い合わせ、直接会って詳細を聞いてみることをおすすめします。

 

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