新興国株式投資おすすめの国はどこか:ASEANの魅力と課題を解説

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こんにちは!今回は前回新興国株式投資おすすめの国はどこ?:ASEANの概要と成長率 でASEAN並びにAECの発足の経緯や、現在のAECの経済成長について見ていきました。

今回はAECの魅力について掘り下げと課題を書いていきたいと思います。

魅力的な人口ピラミッド

まず経済成長に欠かせないのが人口、特に15歳から60歳の労働人口が拡大基調であるかどうかという点です。

理想的な形ですね!日本と比べると、形の差は歴然としています。

更に中間所得層は以下のように主要ASEAN国で飛躍的に増えていっています。

この中間層の拡大は何故重要かというと、内需の拡大が飛躍的に上昇していく水準だからです。


(参照:アセアン株式ファンド)

丁度乗用車たカラーテレビが普及しだす水準ということで、これから内需の消費が飛躍的に伸びていくことが期待されますね。

国によっては異なりますが、GDPに占める割合は5割以上なので、ここに火がつくのは間違いなくポジティブな要因といえるでしょう。

FTA先進国ASEAN

ASEANは域外の国々とも自由貿易協定(FTA)を締結して、製造業の生産地として魅力を高め、直接投資の誘致や輸出の促進を図ってきました。

具体的に2005年に中国、2007年に勧告、2008年に日本、2010年にインド・日本とASEANを来てんとしてアジア・オセアニア地域でFTAを拡大させています。

ASEAN主要国の貿易全体に占める自由貿易協定の発行対象国の割合であるFTAカバー率は6割近くに達し、米国や韓国を上回っています。

日本は貿易大国と思われがちですが、なにげに22%なんですね。貿易立国の韓国ですら41%なのでASEANのカバー率60%がいかに凄いレベルかということが分かると思います。

日本なんかはASEANとのFTAを組み合わせ、関税の撤廃ないし削減を行うことが出来ます。

例えば、日本から部品を輸入し、ベトナムで組み立て、インドネシアに輸出した場合、日本とASEANのFTAが定める原産地規制を満たせば、ASEAN域内生産品として特恵関税の恩恵をうけることが出来ます。

この原産地規制の中の例えば付加価値基準では産品に負荷される価値が特定の比率以上となる場合に原産品と認定されます。例えばこの割合が30%以上の場合、日本からの輸入が70%以下であればいいといった感じですね。

ASEANは欧米、中国、日本のような大国との貿易をにらみ、輸出基地としての魅力を高める為にFTAやAECの設立を行い、域外域内ともに経済連携を強化してきています。

それが奏功しているという状況になっているんですね!

直接投資の増加が続くASEAN

ASEAN諸国への直接投資は2015年は1250億ドルと2005年の430億ドルの3倍に膨れ上がりました。

1990年代までのFDIが外資系製造業による先進国輸出向け投資がけん引してきましたが、2000年代以降は中国向け資源関連に加えて、ASEANの内需向けの製造業や消費・サービス関連の投資が目立っています。

国別に簡単にみるとタイは自動車関連の投資が2012年移行急増、インドネシアは豊富な資源を背景に資源や製造業、サービス業が増加、フィリピンではアキノ大統領による治安改善政策が奏功し投資が拡大している。

更に今後は前回もおつたえした低賃金で今後の発展余地が大きいカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムから構成されるCLMV諸国への直接投資の飛躍的な増加が期待されています。

そしてなんと、このASEAN諸国への投資で大きなプレゼンスを発揮しているのが、我らが日本なんです!

日本の2010年から2015年の累積投資額は820億ドルで2位の米国640億ドル、3位のオランダ390億に差をつけています。

中国からASEANに目を映していてわが国ながらなかなか良い視点だったと思います。(何様だというかんじですが笑)

ASEANの抱える課題

今までは前回と合わせてASEANの魅力の部分にFocusしてきましたが、今回は課題についてみていきたいと思います。

2010年は8%の成長をしていたASEANですが、現在3年連続で4%台半ばの経済成長率に減速しています。IMFも2020年には5%成長を達成するとしていますが、以前に比べると、、という感じです。

中国失速の影響

この最大の要因は中国の減速です。
新興国株式投資おすすめの国はどこ?:中国の抱える問題を大解剖①
新興国株式投資おすすめの国はどこ?:中国の抱える問題を大解剖②

ASEANからの中国向けの輸出シェアは2013年に16.2%と10年間で6%上昇したのですが、2014年には15.7%と低下しました。

中国は2001年のWTO加盟以降、先進国向けの最終製品の輸出基地として台頭し、それによりASEANは中国の需要を担う原油・ガス・石炭といった資源や化学製品・食料品・ゴムといった素材を輸出する原料輸出地点として中国への輸出を増加。

当然中国の急速な成長をもろに追い風としてきたわけですが、中国が世界の工場としての地位を失いつつあり、更に過剰生産能力の抑制を行うことにより、追い風なくなりつつあるという状況なんですね。

そしてこれは↑の記事でも指摘しております通り、今後更にこの傾向は加速することが予想されています。最も大きな影響を受けるのはタイとマレーシアと言われています。

人口ボーナスを終えた国もある

ASEANの人口自体は最初にみたようにいい感じで労働人口の増加がみこまれるのですが、ベトナムやタイでは既に労働人口がピークを迎え下降曲線に向かい、インドネシアの上昇も緩やかになってきています。

今までのように人口に頼った成長は暫くは続いていきますが、徐々に緩やかになっていくことが予想されるでしょう。

中所得国の罠

1人あたりGDPが1万USDの壁を超えられないことを中所得国の壁といいます。

そこに至るまでは単純な工業製品を作っていれば、賃金の安さもあって到達することは出来るけども、そこから上の水準は単純な工業製品では賃金の面から達成できず、自動車やITなどのハイテク産業に軸足を移っていかないと達成できないレベルということですね。

今マレーシアが超えてきていますが、今後この中所得国の罠に阻まれ成長が停滞する可能性がある国が多く控えているので、不安の種ではあります。

まとめ

ASEAN諸国は人口の面からも所得の面からも今後内需が拡大していき、更にFTA拡大に伴って貿易も堅調に推移し、日中などの投資も受け入れ大きな成長が見込まれる魅力的な市場となっている。

然し、地理的な環境から中国への原料供給地点ということもあり、中国経済の影響を大きく受けるというのが重しとなってくる可能性は高く、また中所得国の罠を突破していけるかは注目ポイント。

前回と今回でASEAN全体としての概要を見ていきましたが、ASEANの個別の国についても分析をしていきたいと思います。

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