新興国株式投資特集1:新興国経済の現状と今後を確認する

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今回から新興国への株式投資の魅力について記載していきたいと思います。

新興国は人口で世界全体の85%、GDPと貿易で4割を占める主要プレイヤーになってきており世界経済を語るうえでの存在感は日に日に増してきており、この基調は拡大継続していくことが見込まれます。

今回は新興国経済の現状と、その課題を記載していきたいと思います。

直近までの新興国経済

新興国経済はリーマンショック後のピークである2010年の7.4%から2015年には約4.0%の水準まで下落しました。

実際2012年から2016年までの期間で先進国株式が各国中央銀行の金融緩和にも支えられ約50%上昇したにも関わらず新興国株式は2%の下落と今後成長が多いに見込まれるにも関わらず、脚光を浴びてきませんでした。

実際に日本の資産に占める新興国投資の割合はわずか0.2%であると日銀から発表されており、成長が今後もみこまれる新興国に全くと言っていいほど目をむけていないという状況になっています。

この間、新興国の成長が鈍化したのは、米利上げ期待による米国への資産還流という側面もありますが、その他に以下の要因があると考えられています。

中国の成長減速


賃金の上昇により中国が世界の工場としての役目をおえなくなり、更に生産年齢人口がピークアウトし成長を索引していた中国の成長減速が大きく影響しています。

寧ろリーマンショック時に70兆円にも上る大規模な財政政策をうったことにより、09年10年は成長が嵩ましされていたので追い風参考記録だったと考えることも出来ます。

コモディティ価格

米国のシェールガス革命と新興国の供給過剰によるエネルギー価格の大暴落。WTIは一時110USDから30USDを割れる水準まで下落しましたね。

コモディティ価格の下落はロシアやサウジといった資源国に大きな打撃を与えました。

新興国債務の積み上がり

新興国が官民ともに借入をおこないレバレッジをかけて成長を後押ししていましたが、この債務の水準が大きくなりすぎたので、バランスシートを調整する必要が出てきました。

つまり今までのようにレバレッジを掛けられなくなってきたってことですね。特に中国でこの状況は顕著ですが、それは中国特集で記載していきたいと思います。

先進国の債務整理

先進国においてリーマンショックの後遺症が残っおり、新興国と同じく大きな負債を抱えていた為、新興国への投資に回すお金がなく、新興国への証券投資・直接投資が積極的に行われませんでした。

新興国へのお金の出してはきまって先進国なので、我々先進諸国が不況だと新興国にもお金がまわってこないのです。歯車のようにかみ合ってるんですね!

現在の新興国経済

下落していた成長モメンタムは一旦の下うちの様相をみせ、IMFによると2016年が4.1%、2017年が4.6%という水準になってきています。

これは↑でのべた各種の下押し要因が解決又は解決に向かっていることが要因です。中国については依然問題点が山積みですが、2020年までの所得倍増計画達成のために6%成長はいじさせるだろうと考えてております。

また2020年度には中東、ASEAN、ラテンアメリカ、サブサハラの堅調を背景に再度5%成長に持ち直し2016年から2021年は4.8%と徐々に回復基調に向かっていくことが予測されています。

モメンタムとしては底打ちでありますが、では実際に現在新興国経済がどれほど世界経済にインパクトを与えているのかということについて以下ご覧下さい!


(参照:IMFとみずほ証券)

上記を見て頂くと、1990年代は新興国経済の成長に対する寄与度は50%程度でしたが、リーマンショック以降は8割型が新興国経済に依存しています。

日本も欧州も非常に低成長ですからね、アメリカが唯一先進国できばっていますが、それでも3%いくかいかないかという水準です。

世界経済の行く末は新興国経済に委ねられているといっても過言ではないですね。

新興国の人口は上記のように右肩上がりで、世界シェアは上昇しており世界の85%を占めるようになりました。

更に今後、先進国は日本のように人口減少が見込まれる国が多いことから、こんふぉこの割合は更に増していくことが見込まれます。経済発展は人口動態に依存することろが大きい為、今後新興国経済の存在感が増していくことがわかると思います。

また家電等の普及率が急速に高まる世界年間可処分所畜は5000ドル以上であり、この人口は2010年の44.8億から2020年には58.9億人に増え、殆どは新興国の増加によるものである為、更に需要が増加していくことがみこまれております。

現在の新興国経済の課題

新興国を起点に成長していくことは間違いのないことなのですが、何も問題がないというわけではありません。

今現在新興国が抱えている、解決すべき問題について紹介します。

潜在成長率の低下の回避

まず潜在成長率というものについてなのですが、これは資本・労働・生産性をフル活動させた場合に達成される成長率で、成長する実力ともいうべき数値です。

IMFの推計では新興国の潜在成長率はリーマンショック前に比べて2%低い約5.5%となっているとの推計がでております。(因みに日本は2%に及ばないレベルです)

先程潜在成長率は資本・労働・生産性で構成されていると書きましたが、↑のデータにもあります通り労働力は順調に増加し、資本も大きな下落はしておりません。

生産性が引き下げのほぼ全ての要因となっております。この要因は以下であるとIMFは分析しています。

生産性低下要因①:新興国の技術進展

新興国の技術力が向上したことにより伸びる余地が減ってきたということです。なんでも吸収力は最初は飛躍的に伸びて、後は徐々にしかのびないってことですね。

受験の時に偏差値60まではすぐ伸びるけど、その後は徐々に伸びていくといったことと良く似ているかと思います。

生産性低下要因②:教育水準の向上

これも①とほぼ同じですが、教育水準が上がってきたことによって人材の質の向上の速度が以前より遅くなってきたということです。

文字もよめない国の人が算数ができるようになるのは飛躍的な進化ですけど、中学1年の数学を習っていた人が、中学2年の数学を習っても成長率は僅かということと

新興国が打つべき対応策

正直日本からすると5.5%もあれば十分で、低下要因も成長してきた証なので、そんなに問題であるとも思えませんが、IMFが挙げている策は以下のようなものになります。

・インフラの改善
・事業環境の改善
・教育改革の促進
・規制の撤廃

まあ、当たり前といえば当たりまえですが、当たり前のことをやっていきましょう!ということですね。

ただ実際問題として今「中所得国の罠」という壁にぶち当たっている国は多いので、この障壁を超えていけるかということは今後の注目になります。

流動性の罠といいどうして、こう経済学は罠が好きなんでしょうかね。はめられているんでしょうか笑

この中所得国の罠というのは、1人あたりGDPが1万USDに達した時、先進国への移行が出来ず発展が停滞するという減少を指します。因みに過去20年でぬけだせたのは韓国とシンガポールのみということになっています。

この罠を抜け出す為には、単純な工業製品の輸出やエネルギーの輸出に頼った産業ではなく、投資の拡大を通じた技術革新や技術移転を自国初のイノベーションにつなげていけるかが重要となります。

日本が海外からまねて自動車を作り始めて、いつのまにか米国の自動車の性能を大きく上回ったみたいなことが出来ないとだめってことですね。

ここはもう、教育水準の高さや勤勉性なんかが重要になってくるんだと思います。

新興国の過剰債務問題

米利上げ開始により米ドル建ての新興国債務の返済額が増えて、新興国の国や企業で債務不履行による企業破綻が増加するのではないかという懸念がでてきたことは記憶に新しいと思います。

債務の現状

分野別にみると、政府部門はGDP比で45%ですが日本の200%に比べれば赤子のようなものです、しかし非金融企業は106.5%、家計部門は35%に急増し、金融部門はシャドーバンキング等の目に見えない分を除いて32%となっています。

先進国は政府部門の債務に焦点が当てられがちですが、新興国は企業の債務が膨大なんですね。しかも3分の1はUSD建なのです。ただ米金利上昇局面であっても、米ドルがうりこまれているのが結果的に吉となってはいます!

債務問題で特に大きな債務を有しているのは中国です。これが尋常ではない量で、非金融部門債務のGDP比率は200%を超えており、日本のバブルの水準を超えています。

中国は人口ボーナスもあるなかで、過剰設備・過剰債務・過剰雇用という三種の重荷を背負わざるを得ず今後相当に厳しい未来が予想されます。

アジア通貨危機時との比較

中国の債務問題はなかなかのレベルなのですが、全体としてアジア通貨危機の時とくらべての新興国の防御力は増しています。

当時は米ドルなどの短期の外貨借入を為替ヘッジを殆ど行わず自国の不動産等の長期の投資にまわしていた為、危機発生により自国通貨安が起こると返済が不能になりバタバタと企業が倒れていきました。

然し現在の新興諸国では為替ヘッジ、外貨準備の拡充、短期債務の抑制、通貨SWAP等の施策により防御力を高めており2016年までの新興国つうか安を耐えしのぐことができました。

更に2017年を通じて新興国通貨の米ドルに対する再評価つまり新興国通貨高は続きましたので、現状状況はかなり改善してきているといえるでしょう。ロイター記事を参照してみて下さい。

まとめ

新興国経済は2010年代前半の成長率下降ドレンドが終わり、これから成長率は5%を回復し、更に世界経済に占める割合もますます大きくなっていくことが確定的な状況。

更に潜在成長率の低下は懸念される事態ではなく、寧ろ経済成長を順調におこなってきた結果であり日本の2%以下に対して5.5%と十分な値を維持している。

債務問題も中国は問題を抱えているが、一般的な新興国という括りでみるとアジア危機のような脆弱さはなく、新興国通貨の再評価もあり安定感が出てきている。

【合わせて読みたい】
新興国への投資の中でも、イラン株への投資が特に熱い理由を詳しく解説する。

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