日米欧の中央銀行の金融政策をわかりやすく解説する

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皆さんこんにちは!

今日は主要三中央銀行の金融政策についてわかりやすく書いていきたいと思います。

今後の経済の先行きを占う上で、現在の主要中央銀行の立ち位置と方向性について理解することは非常に重要となります。

基本的なスタンスとしては緩和的であるということに変わりないのですが、米国中央銀行FRBと日銀、欧州中央銀行であるECBでは緩和の立ち位置が異なります。

参考にしてみて下さい!

米国中央銀行FRB

まず米国の中央銀行であるFRBです。米国の中央銀行といえば、もはや世界経済のカギを握るといっても過言ではありません。

リーマンショック以降利下げを行いほぼ0金利まで利下げを行うと同時にバランスシートを拡大しました。

バランスシートの拡大は非伝統的金融政策いわれるもので、金利を下げる余地がなくなった場合に発動します。

ですので緩和の順序としては
金利の引き下げ バランスシートの拡大

という順番になります。バランスシートを拡大することにより、株式や債券の資産を購入して資産価格を引き上げたり、金利を低くおさえることで経済に刺激を与えようという苦肉の政策です。

現在は米国は他の中央銀行に先駆けていバランスシートの買い戻しを始めており、徐々に縮小基調になってきています。

更にFRBは0近辺までに下がった金利を徐々に利上げを行っているという状況で、主要三中銀の中では最も引き締め的な中央銀行になっています。

現在は政策金利を1.25%~1.5%まで2018年2月時点では利上げを行っています。因みにこれはオーストラリアと同じ水準になってきていますが、画像を見て頂ければ分かるのですが、まだまだ歴史的には低金利の水準になっています。

今後の展開ですが、FRBは二つの目標を置いています。(Dual Mandateと呼ばれています)

それは労働市場の安定物価の2%での安定です。

労働市場に関しては引き締まり続けており、失業率は3%台に突入するなど、ほぼ完全雇用を成し遂げていると言える状況です。完全雇用というのは、労働したい人が全員労働している状況のことをいいます。

当然転職活動中や病気の人もいるので、4%くらいは失業率があっても、それは職がないわけではないよね!という考え方です。

然し、このような労働の引き締まりが続いているにも関わらず、物価が2%を下回っており、FRBは景気が非常によく過熱気味であるにも関わらず徐々にしか利上げが出来ないという状況が続いています。

ただ直近の雇用統計で、労働賃金が飛躍的な増加を見せたことで、いよいよ給与所得の増加を伴ったインフレが発生するとの見込みが高まってきたこともあり、利上げ観測が強くなってきました。

直近のダウ平均株価も、この利上げ観測が強くなったことが発端だとも言われています。

当局者としても、次に訪れる経済危機に備えて、緩和余地を残すためにも利上げをおこなっておきたいという意図もありますり、株式市場が暴落しない限りにおいてですが本格的なインフレを伴い、今年は米国の利上げ速度は早まっていくことが予想されます。

欧州中央銀行ECB

次に欧州中央銀行のECBです。緩和の出口という面からFRBからは二歩遅れている感じです。

先程緩和の手法としては
金利の引き下げ バランスシートの拡大

と申し上げましたが、更に次の方法としてフォワードガイダンスというものが存在します。

金利の引き下げ バランスシートの拡大⇒フォワードガイダンス

このフォワードガイダンスという手法は、今後もこの緩和方針を拡大又は暫くの間拡大又は継続しますよ!という口先コミットメントです。

これによって、現在の緩和的な金融環境が今後も継続するんだな、という安心感を企業に与えて積極的な投資を促すという手法です。

現在ECBは第三段階のこのフォワードガイダンスを取り除くべきだと首脳陣から声があがっており、早ければ3月にもこのフォワードガイダンスは取り除かれる可能性もあります。

また第二段階のバランスシートの拡大も12月に今まで月間600億円だった購入額を、来年9月まで半額の300億円にしますと拡大ペースを緩めています。9月に購入を停止するのか、まだ続けるのかということが注目されています。

つまり現在緩和を徐々に緩めていこうというフェーズで、これが意識されて昨年から今年の年初に通貨ユーロがドルに対して1.05近辺から1.25まで上昇してきています。

ECBもインフレ率が2%近辺で安定することを政策目標としているのですが、米国よりも鈍く現在1%近辺になっているので、これが確りと上昇してこないのであれば、この状況が続く可能性があります。

日銀

最後に我らが日銀です。一言でいうと完全に取り残されています。

まず、もう一度バランスシートの拡大の過程を見てみましょう!

世界の中央銀行のバランスシートの拡大を主導しているのは明らかに日銀ですね!世界におかねをばらまきまくっているのは、日銀であるといえます。

現在年間60兆円~80兆円の規模で資産規模を拡大しています。

またこれだけ好景気にも関わらず、日銀は以下のフォワードガイダンスを崩す気配すら全くありません。
金利の引き下げ バランスシートの拡大⇒フォワードガイダンス

また日銀は世界で類をみない、イールドカーブコントロール型のバランスシート拡大策をとっており、10年債が0%近辺になるようイールドカーブをコントロールしています。

その為、いくら購入するとは定めず、大体現状60兆円から80兆円を購入しているという実績になっています。

日銀もインフレ目標を2%としておりますが、日本のインフレ率はECBよりはるかに低い0%近辺なので、緩和を解除しようと思っても全くできないのです。

ここで緩和解除するとまたデフレに陥ってしまうので、手を拱いているという状況が続いています。当然ですね、日本は企業形態として業績があがってもベースアップを行わないので給与所得の増加を伴ったインフレが発生しにくい構造となっているのです。

ただ最も労働市場が逼迫している日本で、いつまでもそういうわけにもいかないので、徐々に賃金アップを伴うインフレになっていくものと想定されます。

まとめ

各中央銀行で緩和的な金融政策を行っているのは、日銀⇒ECB⇒FRBの順で、日銀はいまだ出口が全く見えない状況であるが、ECBは徐々に舵を引き締めに向かいつつあり、絶賛引き締め中なのがFRBということになっています。

昨年からECBが緩和解除の流れを受けて、為替は20%程にユーロ高になったこともあり、日銀が同様の構えをみせると100円を下回り90円アンダーも視野に入ってきます。

また世界全体としては依然として日銀とECBが資金を世界に供給し続けている為、資産価格としては心地よい環境が継続していくことが見込まれます。

また先進国の中央銀行が資金を供給することは新興国にとってもプラスになります。それは資金余りとなった先進国の投資家が、高い利回りを求めて新興国の株式市場並びに債券投資に資金を振る向ける為です。

引き続き、株式投資並びに新興国投資を行う上では心地よいゴルディロックス相場が続いていくでしょう。

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