日経平均とドル円の為替レートが連動する理由を解説

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皆さん!こんにちは!

読者の方から、以下のような質問を頂きましたので、回答すると共に重要なことなので記事にすることにしました。

「ワタルさん、日々日経平均とドル円をみていて連動率が高いように思われるのですが、これは何故ですか?通常日本株を買う場合は日本円を調達しなければいけないので円高の方向にいくのではないですか?」

というものです!いやー有難いですね。こんな感じで読者の方から、質問を頂けるのなんて感涙の極みです。

今回は何故、日経平均とドル/円が連動するのかということを、元為替トレーダーの視点も踏まえて書いていきたいと思います。

為替レートの影響 (日本人の立場)

まず、分かり易く今日本にいる私達が、米国の株式市場に投資をすることを想定します。

今投資しようとした時の米国株Aが1株あたり500USDだったとしましょう。そして今現在USD/JPYのレートが100円の場合。

A社の1株を購入するのに50,000円が必要になります。

1年が経過したとしましょう。

その時A株は500USDから600USDへ増加していたとします。するとUSD価ベースでは100USDの益が発生します。

ではUSD/JPYの為替レートが100円から以下に変わった場合、最終的な投資損益はいくらになるでしょうか?

以下の図をご覧ください。

株価自体があがっても、為替がドル安の方にいくと、最終的に円価ベースでみると損失を蒙ることになるという事態が発生します。

為替レートの影響(米国人の立場)

では日本人の立場で見たところで、今度は米国人の立場になってみましょう。

今日本株Bが1株50,000円とします。ドル/円は100円とすれば、500USDが必要になります。

一年後B株が55,200円に上昇していたとします。然し、ドル/円は120円になっていたとします。そうするとドル価ベースでは460USDになり、40USD損してしまいます。図にすると以下のようになります。

こういう事象は実は頻発します。

それは円が特殊な通貨だからです。

特殊な通貨円 (リスクオフ・危機発生時)

為替トレーダーをしていて思ったことは如何に円が特殊な通貨かということです。

円は世界景気が好調な時に売られ、世界中でリスクオフになったり、東日本大震災のような日本の国難の時ですら買われる特殊な通貨なのです。

世界中でミサイルが北朝鮮から日本海に打ち込まれて、買われる当該国通貨は円だけです。これはもう特に理由がなく反射的なトレードの影響です。

これは何故発生するかというとですね、日本は世界一の対外純資産国です。つまり、海外に資産を世界で一番持ってるわけです。

例えば、東日本大震災みたいな事象が発生し、保険を大量に払わないといけない場合、生保や損保は世界中に保有している米国債のような債券を売り払って、支払いに充てる円にします。

つまり為替市場では円買が発生し、円高になるのです。

そしてこれが定着し、危機発生=円買ともう為替市場の参加者の脳内にインプットされているのです。私も為替トレーダー時代は不謹慎ですが、地震が起きた瞬間に円買を行って儲けていました。

つまりパブロフの犬状態なんですね。危機発生⇒円買っとけという反射なんです。

特殊な通貨円 (好況時)

危機発生の時には、兎に角かわれてしまう円。

では、反対に世界景気が好調で株価がどんどん上がっていくときはどうでしょうか。日経平均がどんどん上がるときって、ドル/円もぐんぐんあがってますよね。

ドル/円があがるということはドル買円売なので、円は売られています。

この理由は円が世界の主要通貨の中で、スイスフラン、ユーロと共に、低金利通貨だからです。つまり低金利の通貨を売って、少しでも高金利の先進国である米国や、新興国通貨を買って新興国投資を行う為です。

いいですよね、円を売って、他の金利が高い通貨を買えばそれだけで儲かるわけですから。これをキャリートレードといいます。

日経平均が何故ドル/円と連動するか

普通の国では株式を買う為には、その国の通貨を調達しなければいけないので、外国人がその国の株式を買えば自動的にその国の通貨も買われます。

日経平均であれば、日経平均があがれば円が買われて円高になるはずです。

然し実際は円は売られて、ドル円は上昇しますよね。

これは日経平均は米ダウに連動するので、以下のロジックで説明がつきます。

景気好況⇒米ダウ上昇⇒日経平均上昇

一方為替市場では

景気好況⇒キャリートレード発生⇒円売

その為、日経平均が上がってもドル/円レートが上がって、最終的に損となる場合がありえます。これを危惧した米国人としては為替ヘッジをするわけです。

つまり日経平均を購入する時は、まず日経平均を購入すると同時に円を買いますが、将来売却するときの為に先日付で円を売ります。これを為替市場ではBuy-Sellの為替SWAPといいますが、同量の円を売買する為、現在の為替レートに与える影響はありません。

そして日経平均が上がれば、利益の分を追加でヘッジを掛けなければいけなくなるので、追加で円売が発生して、日経平均の増加と同時にドル円が円売り方向に動きます。

図にすると以下のような感じですね。

日経平均が23000円から25000円に上昇したら、この2000円分を追加で円売ドル買ヘッジをしなければいけないので、為替のドル/円が上昇するということになります。

つまり、日経平均が上昇するとドル/円も上昇するという事象が発生します。

逆に日経平均が下落した場合は、先足で売っていた円を一部買い戻さないといけなくなるため、円買が発生し、為替市場ではドル/円は下落します。

一方日経がしまっている時間に円安方向に為替が動くと、日本は輸出企業が多いので業績改善期待により日経平均が上昇します。

いずれにせよ、日経が先か、為替が先かにかかわらず、両者は連動する仕組みになっています。

最近は為替と日経の連動率は徐々に低下しているので、連動率は低くなってきてはいますが、大きな潮流としては変わっておりません。

まとめ

円という特殊通貨の影響で、為替ヘッジを行う外国人が多く、追加のヘッジや損失発生時のヘッジ外しにより日経平均とドル/円の為替レートは連動する傾向にある。

また、為替主導で輸出企業が多い日経平均が上下する為、いずれにせよ日経平均とドル/円為替レートは相互に関係しながら上下を共にする傾向がある。

このように株と為替が違う方向に動くという特性から、日経平均に投資する際は為替ヘッジを外国人は行いますが、では日本人が新興国の株に投資する場合はどうするべきかという点について以下に纏めておりますので、参考にしてみて下さい!

新興国株式投資に為替ヘッジが必要なのかを解説する~おすすめのリスク管理指針~

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