3月のマーケット(市場)を整理する~株・為替は何故動いたのか~

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こんにちは!ワタルです!

もう4月に入って二週間程経過しましたが、少し時事ネタということで3月のマーケットを整理していきたいと思います。

市場を大きく動かしたもの

3月のマーケットを大きく動かしたのは米中の貿易摩擦問題の再燃です。

米中貿易摩擦の概要

それではまず3月に起こった米中間の係争について纏めてみていきましょう。

この貿易戦争の経緯についてはNews Weekに纏められておりますので、その部分を抜粋させて頂きます。(参照:https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/04/post-9912_1.php)

トランプが3月22日、中国による知的財産権侵害や米企業への技術移転の強要に対抗して、米通商法301条に基づき中国製品に制裁措置を発動する大統領令に署名し、最大で年間600億ドル相当の中国製品に25%の追加関税を課すと発表すると、中国は翌23日、対抗措置を発表した。アメリカが中国に課した鉄鋼、アルミニウム製品への追加課税に対して、中国はアメリカからのワインや豚肉などに対して高関税を課すとした上で、4月2日には128品目にわたるアメリカからの輸入品リストを発表し、30億ドルに関しては実行し始めた。

するとトランプは4月3日、中国からの500億ドル規模の輸入品1300品目に関するリストを公布。主要対象は情報、通信技術、航空、ロボット、医薬品、機械などである。

それに対して4月4日、中国中央行政省庁の一つである商務部は「アメリカが中国の厳正なる交渉を顧みず、事実無根の根拠により中国に課税措置を断行するのは一国主義と保護主義に基づくもので、中国は絶対に受け入れることはできない」と抗議。ただし、「中国は(貿易)戦争はしたくないが、戦争を恐れてはない」とした。中国の外交部も同日、「(1949年の)中華人民共和国誕生以来、中国はいかなる脅迫にも屈服したことがない」などと表明した。

そして中国は同日のうちに、大豆などの農産品、自動車、化学工業品、飛行機などの、アメリカからの500億ドル規模の輸入品106品目に対して25%の関税を課すと発表している。

するとトランプは5日、今度は中国からの輸入品に対する追加関税の対象を1000億ドル規模に拡張すると、エスカレートさせた。

これに対して中国は商務部、外交部に加えて財政部まで加わった連携体制で抗議声明を出すに至った。いずれもアメリカの一国主義に対して中国はあくまでも国際協調と多国間交渉を重んじており、アメリカが保護主義という歴史を逆行しているのに対して、中国はあくまでもグローバル社会における自由貿易を重んじると主張している。そして「アメリカが挑戦してきたから中国はやむを得ず自衛のために受けて立っているだけだ」と自らの立場を弁護し、中国が世界各国と協力し合いながら歩みを共にしていると強調した。

はい。凄まじいスピード感での応酬ですね。

世界第一のGDPを持つ米国と第二位の中国が貿易戦争を開始したら世界の貿易量が大幅に減少しますね。

そして両国は貿易において大きく結びついています。以下が現在の両国の輸出、輸入依存度です。

米国
中国に対する輸出:8% (第3位)
中国からの輸入:22% (第1位)

中国
米国に対する輸出:19% (第1位)
米国からの輸入:10% (第3位)

本気に米中両国が貿易戦争に動きだしたら、影響は甚大なものがありそうですね。

今後の展開について

報道は騒がれておりますが、市場では本格的な貿易戦争へ突入するとの見方は限定的です。その理由としては以下の点が挙げられます。

・今回対象となった品目の両国のGDPに占める割合は限定的
・米国の500億ドル規模の対中制裁関税や中国側の報復関税も即時履行とはなっておらず、交渉での妥結を模索している。

一部には今年度11月に予定されている米国の中間選挙に向けた国民向けのアピールという見方もあり、両国とも本格的な衝突は望んでいないという姿勢が垣間見れます。

現在の自体が深刻化する可能性はリスクシナリオとしてはあるもののメインとしては収束していくものと見込まれております。

マーケットの反応

このような緊張感のある情勢の中で、マーケットはリスク回避的な動きが優勢となりました。

為替市場

為替市場ではリスク時に選好される円買が進行してドル円は104円台半ばという米大統領選以来の水準まで下落しました。

 

為替市場では今までずっと投機的なポジションを集計しているIMMポジションで円Shortだったのが、久方ぶりに円Longに傾いております。

投機筋の為替ポジションというのはFXをやられている方なら分かると思うのですが、買ったら売り戻さなければいけませんし、売ったら買い戻さないといけません。

今までは日銀の金融緩和の出口が見えないなかでの金融政策の緩和が継続することに注目が払われ、常に円売りが優勢で円売りポジションが溜まっていました。

1月からのリスクセンチメントの悪化と、今回の貿易戦争懸念を受けて、その溜まっていた円売りが一気にはけたということですね。

現在は一旦落ち着きを取り戻し107円前半の水準を推移しています。

今後の展開としては、一旦ポジションの傾きが綺麗になったことと、本格的な貿易戦争に発展しない限りは暫くはこの104円~108円の水準を彷徨う展開が続くと見ています。

然し、ドル円の月足チャートは明確に下向きのモメンタムがついてきており、米国の目が中国のみならず日本の対米貿易黒字にも向けられる可能性があること、尚且つ日銀の金融政策正常化のタイミングを計る市場の目もあることから管理人としてはドル円下落の可能性が高いと見ています。

株式市場

株式市場ではFacebookやAmazon、Alphabet、Netflix、Googleといった巨大IT企業の個別要因や、昨年度ずっと堅調に株式市場が推移した為、株ロングポジションが溜まっていたということもあり、引き続き株価下落基調が継続しました。

上記はダウ平均株価の一年間の推移ですが、1月につけた最高値からは8%程下落をしております。

今後の注目点

今週末以降に発表される米国の為替報告書や日米首脳会談が注目となります。

現在日本を含め、中国、ドイツ、スイスが為替操作国の監視リストに入れられておりますが、今回為替操作国として認定される可能性は少ないながらも、ひょっとしたら選ばれる国が中国又は日本であるかもしれません。

その場合は急激な円高がすすむことが想定され、株式市場も特に日経平均を中心に下落するでしょう。

また日米首脳会談でも蜜月な中である安倍首相とトランプ大統領ですが、トランプ大統領が為替欄でも記載した通り貿易黒字縮小を要請した場合も、更なる円高を伴い株式市場は下落する恐れがあります。

また今まで景気の先行き感を占う市場である各国のPMIが堅調に推移してきましたが、軟調になりはじめており懸念されている景気後退が意外にすぐそこまで来ているのではないかとの声も聞かれ始めております。

先月までは世界景気つまりファンダメンタルズが強いことは大前提でしたが、その大前提が崩れる可能性と政治的な動きには注意を払いつつ、そうば下落局面が継続した場合でも下落リスクが少ない投資先を選んで投資を行っていくことをおすすめします。

【参照】
資産運用10種類を比較~リスク・リターン別に徹底解剖~
ベンジャミン・グレアムの考え方特集1~バリュー株投資のすすめ~

 

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